新生AB'Sについて

このページは,AB'Sメンバー変更に伴うHarrietの個人的な気持ち(2018年10月時点)を記載しています

Last Update: 2019-01-26; Open: 2006-03-17
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新生AB'S

2018-10-13

かねてから、AB'S活動再開の話は漏れ聞いてはいましたが、9/30(日)の藤丸さんのライブ内で、「新生AB'S」による活動の再開が正式に発表となりました。

メンバー:
芳野藤丸(Gt/Vo)・松下誠(Gt/Vo)・竹越かずゆき(Kb/Vo), 目黒郁也(Bass/Cho), 岡本郭男(Drums)


そう、今回、渡辺直樹さんの参加はありません。

これまで何の情報もなかった方は驚かれたかもしれません。が、Sleep Lessのライナーノーツを読まれた方は、ある程度予測されていたことかと思います。このライナーノーツは、金澤さんの気持ちの入った熱い文も含め、ファン必読だと思いますが, まだご覧いただいていない方のために、数か所こちらに引用します。

『直樹にとって特に大きかったのは、AB'Sでの経験だったようだ。』

『AB'Sの面白さは、ウエストコースト指向で"ゆるキャラ"の藤丸、プログレ指向でこだわり派の松下という2人のギタリストが好対照を描き出すこと。そして、その両人に挟まれて両者のバランスを取るのが、直樹に課せられた役割といえた。ジャズ・ファンクというAB'Sのシグネイチャー・スタイルも、実は直樹が握っていた気がする。』

『3枚のアルバムを出して自然消滅したAB'Sだったが(『AB'S4』は内容的に藤丸主導の別バンド)、03年に突如復活し、自主制作CDを発表したり、話題のイベント『Crossover Japan 2005』に出演(ライヴDVDも発売)。07年以降は、再び開店休業状態となった。"バンドにはモチベーションが重要"と考える直樹ゆえ、キーボード奏者は結成メンバーの安藤か、もしくはスタート当初からグループ近くにいた山田秀俊以外に考えられない。それでも、藤丸・松下とのアコースティック・トリオには興味津々。一度だけライヴをやったそうだが、"チャンスがあればまたやってみたい"と語ってくれた。』

(以上、渡辺直樹 3枚目ソロアルバム "Sleep Less" (2015) 内 金澤寿和によるライナーノーツより引用)


AB'Sのキーボーディストについては、COJ後も本格的に活動を続けるにあたり、安藤さんは前向きではなく、山田さんの加入については、直樹さんの声掛けにより実現しました。直樹さんはライブ等で、山田さんは大御所中の大御所なので、まさか了承してもらえるとは思わなかったとおっしゃり、BLUEのライブツアーの最終日(恵比寿Livegate)での「これからも発展し続けるAB'Sをよろしくお願いします!」というMCからも、山田秀俊が加入したAB'Sでの活動の喜びと期待に満ち溢れている様子が感じ取れました。

一方で、山田さんについては、直樹さんのお誘いについて、「たまたま暇だったから引き受けた」とMC中で答えてらして、Harrietの中では、「暇」じゃなくなったら離れるかもしれない、という覚悟がずっと胸の内にありました。現在、山田さんが、唯一所属したバンドとしてちゃんとAB'Sを上げてくださっているのは、バンド活動自体が山田さんにとっても良い思い出となっているということで、ファンとしては非常に嬉しい限りです・・・というのは、バンドによってはメンバー間にバンド活動に対する温度差がある場合も多く、こちらがこのミュージシャンはこのバンドのメンバー、と思っていても、そのミュージシャンのサイトにはそのバンドが殆ど紹介されておらず、別の所属バンドやプロジェクトが大きく掲載されている、なんてことも意外と多いからです。

ともあれ、以上の理由で、キーボーディストについては、まだ変わることが十分あり得ると当時から思っていましたが、「渡辺直樹がいないAB'S」というのは、私にとっては全く想定外であり、到底受け入れられるものではありませんでした。

上記ライナーノーツの内容から推測すると、恐らく直樹さんにとってAB'Sのメンバーは、多大な影響を受け音楽性やベーススタイルを磨いたオリジナルメンバー(おそらく直樹さんにとっての「原型」)か、自分で口説き招き入れた山田秀俊を得て「理想のサウンド」を生み出せた2005〜2007年のメンバー(おそらく直樹さんにとっての「完成形」)以外はありえないということなのでしょう。そして、それが直樹さんご自身のAB'Sへの深い想いの結果である以上、他のメンバーの方々も直樹さんの決断を尊重せざるを得なかった、もしくは敢えて受け入れることを辞さなかった、ということなのだと思います。

なお、AB'Sのキーボーディストを新しく入れての活動再開については、比較的前から話が出ていたようでした。直樹さんと異なり、複数バンドやユニットを並行して活動されている藤丸さん、誠さん、岡本さんにとっては、メンバー変更やユニットの立ち消えは「普通にあり得ること」であり(恐らくアマチュアバンド所属経験者も何度か体験されていることと思います)、その上で待って、待って、待った上での決断と前進表明であると理解します。活動再開を決めたメンバーの方々にとっては、「(多少の変遷があっても)リアルタイムで活動し続けてこそのバンド」であり、この点のみで道が分かれてしまったのではないかと思います。

いずれにせよ、メンバーが変わればサウンドが変わるのは当然であり、受け入れるか受け入れないかは、結局のところファン側の気持ち次第となります。ライブに行かないファンにとっては、渡辺直樹が真ん中におらず、MCも取らない、ということ自体は違和感は特にないでしょう。しかし、あの清涼感のある声がボーカルにもコーラスにもなく、「渡辺直樹」の作曲・編曲楽曲が入らず、多くのアマチュアベーシストたちを惹きつけてきたあのベースの音もフレーズもない、ということは、音源のみを楽しむファンにとっても大きな変化となります。「直樹がいないAB'S」に拒否感があったら、聞かずにおくという選択肢もあると思います。

一方、新生AB'Sについては、今後ライブが見られるようになり、新譜も出ることが期待できます。Harrietは、直樹さんのファンであると同時に、藤丸さんのファンであり、誠さんのファンであり、岡本さんのファンでもあります。何より、松下誠と芳野藤丸が再びタッグを組み、その後ろを岡本郭男が支える、というバンドを、聞かずに済ますなんてことは絶対にありえません。アルバムを買い、ライブを追い、聞きまくらずにはいられないでしょう。

新生AB'Sのメンバーについて話を漏れ聞いて以来、発表があった時点でこのサイトにどのように書くか、ずっと考えてきました。渡辺直樹のいないAB'Sは私にとってはまだAB'Sではありませんが、松下誠が本格的にAB'Sの活動に加わった時点で、ちょうど渡辺直樹がCorrespondenceでベースの入れ方が変わったように(上述のライナーノーツでそう述べている)、新メンバーとの相応の化学反応も十分あり得ると思います。新メンバーならではの素晴らしいサウンドが、改めてAB'Sファンを楽しませてくれる可能性は本当に極めて高いのです。

Harrietは、Jeff Porcaroが逝去して以降のTOTOも、Michael Hutchenceが亡くなって以降のINXSも、Richie Samboraが脱退して以降のBon Joviも、ちらっと聞いただけで拒否反応を起こし、以後全く聞いていません。新生AB'Sについても、多分暫くは、山口百恵の「イミテーションゴールド」のように、「声が違う、歌い方が違う、音が違う、アドリブフレーズが違う、。。。」と比較し続けてしまうでしょう。

そのため、「藤丸・誠・おかもっち」がいるバンドをHarrietが楽しむため、自分の中で何らかの切り替えが必要でした。

Harrietの心の中の葛藤の末の折り合いのつけ方として、「同姓同名の別バンド、でも、うち3名がなんと本当のAB'Sのメンバーなんです!!!」というスタンスが、今のところ、いちばんの落としどころになるかと思います。キーボードもベースも異なり、しかも、どちらも相応の存在感を持つ非常に優れたミュージシャンである以上、同じバンド名であっても何かが確実に異なるはず。だから、個人的な折り合いとしては、それでもいいのではないかと思うのです。

バンド名をできればAB'S以外にして欲しかった・・・という希望を持っていたファンもいたかと思います(Harriet自身もそうでした)。しかしながら、現在の過酷なショービジネスの状況下で、ネームバリューのあるバンド名を使わないというのは、あらゆる意味でマイナスになるでしょう。実際、SHOGUN STYLEがSHOGUN名義になった(ライブハウス等が「SHOGUN」として宣伝し続けた)状況を考え合わせると、最初別名で活動を始めても、「AB'Sの」という枕詞がなくなるとは思えず、いつかは「AB'Sを名乗る方が合理的」という結論になるだろうということも容易に推測されます。

新生AB'Sのファンの方(特に新メンバーのファンの方)、そして、何よりAB'Sを前進させようと決めたオリジナルメンバーの方々には、非公式な弱小個人サイトとはいえ、このような折り合いが必要と書いているファンがいること自体、あまり愉快には思われないかもしれません。しかし、だったら、「芳野藤丸のいないAB'S」は受け入れられるのか、「岡本郭男のいないAB'S」はどうなのか、あるいは、「松下誠のいないAB'S」(AB'S-3) は果たしてすべてのAB'Sファンに難なく受け入れられたのか。「AB'S-3」が受け入れられたのは、メンバー交代ではなかったこと(=新しいテイストが加わるのではなく、元々のメンバーのカラーが濃くなることで補われた)、ライブがなく、視覚的に目の当たりにしなかったこと(アルバム自体は多重録音によりギターの音数は全く減っていない)、デジタルサウンド時代に突入し、「時代の音を取り入れた」結果の変化という受け止め方が可能だったことが理由として考えられますが、芳野藤丸ファン・渡辺直樹ファンには評価が高いものの、AB'Sを離れたファンがいたことも事実です。

AB'Sを知ってからずっと聞き続け、愛し続けてきた一ファンには一ファンなりの思い入れがありますし、音楽ファンにとって好きな音楽は、これまでの人生と同期しており、簡単に切り離せる類のものでもないということで、ご理解いただけたら幸いです。


さて、このサイトでは今後の掲載につき、現時点では下記のようにしていこうと思っています。

  • About等:直樹さんを旧メンバーとして扱うのは非常に辛いことですが、個人サイトであってもジャーナリズムの一端である以上、現状をきちんと反映させるのが筋と考えます。まとまった時間ができたら、Profile等についても更新します。
  • ライブ情報:山田さん同様、「旧メンバー」という表記に変更します。その上で、ライブやスタジオの情報があれば、今後もこれまで通り掲載します。
    新メンバーのライブ情報については, 公式サイトでご確認いただくこととし、AB'S以外での活動については暫く割愛します。

なお、新しいAB'Sが、新譜のリリースやライブ活動(特にツアー)敢行等活発化してきたら、その折々の状況に照らし合わせて調整していきます。

――――――

ということで、気持ちを切り替えて、新生AB'Sのライブ情報を掲載し、応援していきます。今後ともよろしくお願い申し上げます。(Harriet)

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