Blue: Night View

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このページでは,AB'Sが2007年にリリースしたアルバム「Blue」のNight Viewでのおかもっちのプレイを見ていきます。

Night View

Makoto MATSUSHITA/ Atsuo OKAMOTO

Key: Bm
pre-intro[1]-Intro(1)[8]-Intro(2)[8]-1番A[7+2/4x1+2]-A' [7+2/4x1+2]-B[8]-C(サビ)[8]-間奏guitar solo(1)[8]-guitar solo(2)[8]-2番A[7+2/4x1+2]-A'[7+2/4x1+2] -B[8]-C[8]-C'[9] -Ending: Guitar Solo(1)[8]-Guitar Solo(2)[8]-guitar solo(3)[8]-guitar solo(4)[8]-guitar solo(5): fade out
※ここではスネアが2拍目・4拍目に入ると考えて小節数をカウント

Sound

ゴツいベース・ソロからスタート。この最初のベースが,実際の楽曲のリズムやテンポと全く違うところにAB'Sを感じます。(爆)
ドラムとベースのみのイントロの後,ギター・ソロが入ってきます。この箇所はおかもっちがシンバルを鳴らし続けてますが,この激しいシンバルとは対照的なメローな音色のストリングスとエレピエレピ系エレピ(爆)がしっかり入っていて,初期のAB'Sの効果音的なキーボードの入れ方を彷彿とさせます・・・が!エレピのバッキングのアタック感(ドンピシャで音が強い)やハープのような速弾きに「山田秀俊」の匂いがぷんぷんします。(笑)

Aメロ箇所はこのキーボードがジミになりますが,それに取って代わるのが藤丸軽快カッティング。歌の合間には誠カッティングがさらに入ります。Bメロではこの藤丸ギターが単音になって,エレピといい具合に絡みます。Bメロの最後にその前振りを入れた後,粋なエレピを配しておいて,聞かせどころのサビに突入します。多分,旋律を直樹さんとおかもっちの1オクターブずらしユニゾンで,誠さん・山田さん・藤丸さんの3声が基本3度ずらしでバックで歌ってるんだと思うのですが,重厚かつ絶妙な絡みのコーラスになってます。再び登場したバッキングの藤丸カッティングや合間のエレピも効いてます。間奏のギター・ソロは Introのモチーフを使っているので,後半ではIntro(2)同様シンバルがシャンシャン入って来ます。

そして,何故かおかもっちの曲は,エンディングにギターの競演が来やすいですね。そのウラで徐々に激しくなるエレピもいいです。(爆) 1番のメロディが長いので,1番と2番の間に長い間奏が来て,2番が終わったらCodaなしでそのままエンディングという,意外と珍しい構成の曲です。

UP

Drum Performance

Intro.(1)
おもむろに入るベースの後で,ガラッと世界が変わります。Intro(1)はベースとドラムのみですが,このベースの音色と,おかもっちのやや鈍いウッドフープのリム・ショットの音色の相性が抜群にいいです。ベースが鳴っている箇所に入っているゴースト・ノートの鳴りがたまりません〜。4小節目のフィルはスネアをシャッフル・リズムに合わせて最後の最後に1発入れてるだけなんですが,なんかジェフ・ポーカロみたいにすっごいタイミングで入れててゾクゾクします。グルーヴ重視のおかもっちドラム炸裂!といったところでしょうか。このスネア打ちはこの曲のドラムのパターンのモチーフのひとつです。バスドラは適度にベースに合わせつつ,ベースのおかず箇所では抜いていて,その微妙な合わせ具合もいい感じです。ウラにしっかりアクセントを入れた唯一の高音域担当のハイハットがものすごくよく効いてます。あくまでウラに入れるだけで余計なことを一切していないので,余計にグルーヴ感とトランス感が増します。締めは,最終小節のみ1拍目のバスドラを抜いておいて「間」を作っておいてから,スネア・バスドラ・フラムを組み合わせるというおかもっちらしいフィル。しっかりベースと合わせておいて,最後をバスドラで締めることで後ろの3/4拍分のスペースを際立たせてます。
Intro(2)
ギター・ソロによるイントロ部。中音域のギターの上で,ここまで鳴らすか?というくらい鳴らしまくりのシンバルは(笑),1・2・3・4拍目にそれぞれ入れて,キメの箇所でもしっかりそのリズムで入れて,更にペダルでハイハットも入れてます。^^ 音域がカブってない上,シンバルは音が割合散るせいか,ギターをうまく引き立てる役割を果たしてます。最終小節は2拍目でスネアと一緒にかなりしっかりシンバルを打っておいて,3・4拍目でフラム。メリハリ効いてます。
1番A/A'
チャイナではなく普通のクラッシュ・シンバルで始まります。ここからは打って変わって金物系はタイトになります。ハイハットはウラにアクセントをしっかり入れて打ってます。歌が途切れてギターのカッティングが入る箇所では,スネアはそのまま 2・4拍目を打つというパターンで淡々と進みますが,バスドラとシンバルは,3・4 小節目ではカッティングのリズムに,7・8 小節目では,「半小節×3」のキメに合わせてます。ここの締めも,フラムと,Introやこの箇所の 4小節目でも使ったモチーフの「小節の最後の最後に入れるジェフ・ポーカロ風絶妙タメ入りスネア打ち」(今命名(笑))。
1番B
ここのドラムの特徴はバスドラのフレーズ。2小節単位になっていて,2小節目の3拍目のスネアの直後のバスドラがサウンドを締めつつ,ボーカルのリズム・サポートもしてます。最後はフラム2発で締めて,キメ部はシンバルで余韻を残した後,「粋なエレピ」のジャマにならないように再びフラム2発のみ(+バスドラ)でサビに繋げてます。このフラムを入れるタイミングがすごいです。
1番C
おかもっちもコーラスにフィーチャーされている箇所。繋ぎ箇所で効かせたエレピのバッキングの締め(4小節目)にバスドラが合わせてあって,サウンドがタイトに仕上げつつ,次の小節に移る前に「間」を作って,なだれ込み感をカットし,さりげなくメリハリをつけてます。締めの直前のバスドラのパターンを少し変えてそのままブレイク。最後の3/4拍分をハイハット・オープンだけうまく響かせて次に繋いでいます。ちょうどギターが入る箇所に合わせてありますね。
間奏guitar solo(1)/(2)
右はライド・シンバルで1・2・3・4拍目のところにアクセント。途中,ベースのフレーズに合わせてチャイナ(多分〜)が入ってます。この箇所は割合質素ですが,シンバルを入れるタイミングがすごいです。(2)では再びIntro(2)の1・2・3・4拍目シンバル叩きまくりパターンになりますが,スネアの入る直前バスドラで, 1/2シャッフルのノリをしっかり出してます。スペースをしっかり空けているだけに,このバスドラが非常に効いてます。バスドラの音質がいいから映えるワザとも言えると思います。この箇所では,4小節目にスネアを入れるなど,ここまでシンプル一辺倒(?)だったのが徐々にハデになってくるのを予感させるようなドラミング。最後のフィルも既に7小節目の2拍目直前のバスドラと2拍目シンバルとスネア同時打ちのでしっかりアクセントをつけておいて,4拍目をフラムで入れるという前振りを入れて,更に,最終小節では,「間」を活かしつつ・・・to be continued! (笑)
2番A/A'
ギター・ソロが最終小節の最終拍あたりまで来てるので,ドラムもソロ部の最後を1拍6連のタムで流した後,敢えて間奏の勢いを 2番の冒頭のボーカルの出だし部ではなく2拍目まで引っ張って,ここでフラムを入れて締めてます。更にここは,ボーカルも2音目は2拍目に入るので,ボーカルのリズムのノリの強調にもなってます。実に緻密な構成です。2拍目フラムはSummer Waveでも使ってますが,逆にこれだけで聞き手をひきつけられるのも,他の箇所での手数を最小限に抑えているからですよね。^^ この,ギター・ソロの終わりからフラムまでの一連の流れにも,おかもっちドラムのダイナミクスの凄さを感じます。なお,AからA'への繋ぎは,スネアを使った後,4拍目直後から3/4音分ハイハットをオープンで響かせるだけ。誠さんのギターのカッティングの締めとリズムが合わせてあります。最後のフィルは音数を適度に加減したタム流し。アクセントの入れ方と音の抜き方が絶妙で,こういうのを聞くと,うーん,おかもっちのフィル〜!という感じがします。(笑)
2番B
ここは6拍目最後(実質締め部)は一旦フラムでアクセントを付けたあと,スネアメインの6連打(最後はバスドラ)を使ってます。この曲は1番のあと間奏があって,次のサビがCodaのような構成になっているので,いわゆるここが締めどころのひとつになりますが,この1拍6連打のモチーフの初出がギター・ソロの締めで,タムかスネアかという叩く対象の選択がバリエーションになってます。ブレイクのところのエレピ部では,やはりタイミング勝負のフラム。最後はバスドラのみです。
2番C/C'
基本的には1番と同じ。いよいよEndingという締めの前にハイハットをオープンで連打して盛り上げてから,モチーフの6連打を使用。C'の最後は1小節余分に取ってあって,そこにドラムのフィルが来ます。2回し半と言えばいいのでしょうか?(笑) 音の抜き方うま過ぎのおかもっち印フィル。^^ ダイナミクスが効いたドラムだからこそ映えるフィルですよね。
Ending (guitar solo)
ギター・ソロの競演部になります。基本的には間奏と同じパターンになってますので,最初がライド,フラムによる締め後,シンバル打ちまくりになります。で,その次が,やたらきれいな音でライドを響かせて(ほんとにライドかな?)に戻って,次がまたチャイナ連続ワザになります。ここはあくまでギターの見せ場なので,それぞれのフィルはかなりシンプルですが,最後でスネア1拍6連が出て,fade outとなります。

UP

Something Extra

全体を通して感じる魅力は,やはりボーカルの良さですよね。多分,Aメロが誠さん,Bメロが藤丸さん(1番)・山田さん(2番)だと思うのですが,これはライブで確認しましょう。(<確認しました。^^v) 重厚なコーラス部にはおかもっちが入ってるわけですが,ファンというのは恐ろしいもので(笑),おかもっちのこのコーラスの声を聞くだけでとっても幸せな気持ちになります。(爆) このサビでついついおかもっちの声に集中して聞いてしまう自分がコワイです。(笑)

それにしても,おかもっちのプレイは,本当に「間」の取り方がうまいですよね。うまく音を抜くというか,タイミング勝負みたいなプレイをさりげなくやっているというか。それが,他の楽器を更に映えさせるという点が特徴的な侘び寂び系のドラムです(・・・って,BBS等でのキャラとはあまりにも合わない表現ですが・・・(爆)<とっても失礼 ^^;)。他の曲でもそうですが,この曲では特にバスドラの打つタイミングの妙を感じます。

あと,ベースとのコンビネーションも本当に良いですよね。冒頭のゴースト・ノートについて以前岡本さんにBBSで以前伺ったところ,特に意識してゴーストを入れたわけではないが,直樹さんには無意識に反応しているかも・・・なんてとんでもないお答えを書いてらっしゃいました。一緒に演奏しながら身体が既にベースに共鳴しちゃってるなんて,やっぱりベーシストとドラマーの関係ってすごい・・・。

ところでこの曲は,作曲もおかもっち。メロディーにもスペースが多く,シンコペーションが多いため,英語の歌詞もよく合います。Blueの新曲について,「オレの曲は2曲,いつものような感じで,明るい曲と暗い曲」とおっしゃってましたが,単に基本コードがマイナーかメジャーかだけで,別にクラくはありません。(爆) これだけの曲が作れるのだから,もっとどんどん曲を作って,ソロ・アルバムを出したり,他の人に楽曲を提供したりすればいいのに・・・と思うのですが。

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