Single: Light the Night

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このページでは,AB'Sが2005年にリリースしたマキシシングル「Single」のLight the Nightでのおかもっちのプレイを見ていきます。

Light the Night

Makoto MATSUSHITA/ Makoto MATSUSHITA

Key: C
Intro(1)-Intro(2: Guitar solo(F))-A-B-B'-C-D(chorus)-A'- 間奏(1)(twin guitar)- 間奏(2)(guitar solo(F)) - 間奏(3)(guitar solo(M)) - C-D-D'- Ending(guitar solo(M) -fade out)

Sound

おもむろに単音カッティング・ギターで始まります。この曲も(どの曲もだけど)ギターの入り方が地味にカッコいいです。サビはCメロ部になりますが,イントロと同じフレーズをコーラスで入れたDメロ部もサビその2,といった位置づけ。ほんとに誠さんって普通の曲を作らない人ですねえ。(不可思議でメローなのにどっかハードなの〜!(笑)) ツイン・ギターで前フリしておいてから,いよいよ見せ場の10小節x2のギター・ソロ競演(それにしても10小節ってところがプログレ・テイスト?(笑))。ツイン部も含めて,28小節がギター担当になります。これはAB'Sファンにはたまらないでしょう! ベースはこの曲でも低音部をシブく移動する構成。多分,安藤さんよりも山田さんの方が取る音域が広めなので,その分ベースの音域を下げているのではないかと思います。ただし,フレーズ自体はしっかり直樹節。弾くところと間を空けるところをしっかり分けて,単なるリズムではなく,ちゃんとしたメロディを奏でています。これはピックを使ってるのかな? キーボードはCDでは音域サポートがメインになってます。聞いてると全楽器のことを細かく聞き取ってみたくなりますが,私は敢えてドラムに集中。(笑)

なお,上記の曲構成ですが,AメロとBメロは基本的にはコード進行が同じなので,最初は「B」ではなく「A'」にしようかと思いましたが,そうするとA'''とか出てくるので(笑),旋律も違うことだし・・・ということで分けてあります。

UP

Drum Performance

Intro.(1)(2)
ギターのみで始まるイントロを繋ぐのは,少しドラッグを絡めて「タタトド(最後はバスドラ(多分)」と叩くだけの質素なフィル。その後,おかもっちお得意の左でのハイハット味付けをかませた16ビートのハイハットがよく聞こえます。ここでのハイハットのパターンは,アクセントを入れた箇所のみ拾うと,「チッ・チッ・チッ・チッ・チッ・チッ・チッ・チ」というパターンで,太字部が左で入れてるハットの音です。(わかります?)ただしこのパターンは最初の8小節のみ。次の8小節では,シンバルを数発入れた後ライドに変わって,ハットペダルになります。これは,前半後半にめりはりをつけるのと,ギター・ソロの音域が後半で高くなる(盛り上がりがある)ので,多少高音域の金物系を目立たないようにしつつ(ハイハットの音は結構響く),盛り上げのためのシンバルはきっちり入れている,という感じでしょうか(シンバルの音は広がるので意外と目立たない)。途中のフィルはバスドラのパターンをちょっと変えたり,スネアをちょっと入れる程度。Aメロへの繋ぎはスネアのフラム。ちなみに,COJではIntro(1)でもハイハットを16で入れてタイム・キープしてます。
Aメロ部
COJの映像を見ると非常に分かり易いのですが,2小節単位で見た2小節目の3拍目の直後(16ビートのウラ)にロータムを入れてます。映像では右腕が非常に速くタムに飛ぶのがよく見えます。カッコいいです。・・・しかし,これに気を取られていてはいけません。(笑) ハイハットのパターンがほんとに微妙に変化してます。まずAメロ部では基本的にはIntro(2)の前半と同じ・・・ですが,最後の小節だけ次への序章のようにパターンが「チッ・チッ・チッ・チッ・チチッ・チッ・チッ・チッ」に変わります(太字部が左での味付け)。そして・・・。(→次に続く。(笑))
Bメロ部
ここでのハイハットは,Aメロ最後の小節のパターンが,Intro(2)のパターンと合体します。2小節単位になっていて,最初がこの「3拍目直後に味付け」パターン,次がIntro.(2)にあった「2拍目しっぽに味付け」パターンに。そして!B'メロ部になると,なんとこの2つのパターンが入れ替わります! 一体どこから来るのでしょう,このこだわりは!?細か過ぎます!!! (ハイハットは,アクセントを付けた箇所のみ表記:実際には16で叩いてます。)) 最近いろんなドラマーのドラムに耳を傾けてますが,ここまでハイハットに凝るのは私が知る限りではおかもっちだけです!
といっても,意味無く凝ってるわけではなく,このBメロ部はAメロと違って,途中にロータムに腕が飛ばないんですよね。上でも触れましたが,Bメロ部はAメロ部とコード進行が同じ。だから,ドラムのパターンを微妙に変えて,徐々に盛り上げてサビへと繋げるために,敢えてハットで味付けした,つまり,より目立つ音で味付けを入れた,ということだと思います。(ちなみに,COJではBメロ部を通して後半のパターンのみ。) なお,ここのハットのパターンは,Ending直前のCメロ部でのハットと同じです。フィルはスネア中心ながら,音数は抑えています。Cメロへの繋ぎはスネア連打。この曲のフィルのモチーフのひとつです。
Cメロ部(サビ)
ここではライドを使用。この箇所はギターがちょっと高音域で入ってきて,しかもカッティングではなく割合伸ばしたフレーズを弾いているので,それを活かすためではないかと思います。途中,おかもっちらしく,「フツーじゃないところへのチャイナ・シンバル(多分)」が2箇所入ってます。今後のシンバル連打の予告みたいなもんでしょうか。ハイハットはペダルで入れてますが,左で味付けも引き続き入れてます。最後のキメはフラムで合わせてしっかりメリハリつけてます。次のDメロとは雰囲気が全く変わるので,きっちり世界を分けている感じ。
Dメロ部(サビその2)
コーラス部でのドラムは,ここでもまたハイハットのパターンが変わってます。(笑) ここでは2小節単位の後ろの小節の2拍目から3拍目に移る箇所で2回オープンを入れて味付けしてます。この裏でのオープンではバスドラも合わせてさらにアクセントをつけてます。AB'S得意のリズム・パターンでのドラムの打ち方です。左での味付けは,微妙にパターンが変わってますが,タイコを挟んだりフィルを入れたりしているので,パターンが出来ているのか単にラフに入れているのかはちょっとわかりません。この箇所は4小節のフレーズが3つ入った構成なのですが,ドラムはその4小節の前半・後半でパターンを変えていて,前半が先述のハット中心(というか,ハット以外は特別なことはしていない)で,後半は結構タム・スネア・シンバル等を付加してフィルの準備みたいな感じにしています。
フィルは,最初のフレーズから次へが16ビートのリズムでのフラム連続2発。2フレーズ目から3フレーズ目の間は盛り上がり直前なので,結構2拍たっぷり使って,シンバルをいれフラムを挟んだ後タム流し。次は2番への繋ぎになるので,再びフラム2発(ただし8ビートのリズム)。シンバルがちょっとすごいことになってますが,間奏に比べたら可愛いものです。(笑)
2番A'メロ部
間奏前のフィルは,比較的地味にまとめてますが,その前にあるスネアとバスドラを交互にウラで入れていてちょっと面白い感じになってます。
間奏(1-2-3)
(1)ではずっとオープンとクローズの繰り返しで「チッ・チー・チッ・チー」という感じに聞こえます(実際には16で打っている)。ツイン・ギターの終わりごろではハーフ・オープンでシャンシャン打っていってます。ギター・ソロ部ではライドに移ってギター・ソロを際立たせつつ,シンバル連打で全体的に盛り上げていきます。ハットもペダルで入れてます。普通のソロよりも4小節長いので,6小節目が終わったところにスネア連打を入れて,まだソロが続くことを聴き手に伝えてくれてます。藤丸さんのギターソロ部の最後のほうは,おかもっちお得意の拍はずしシンバルのオンパレード(フツーのところに打てないのか!(笑))。誠さんのソロではタム連打を4小節目の終わりに入れてます。この箇所でのシンバル連打は,この地味な曲で,しかも間奏で,ここまで打つか?というくらい打ってますが(笑),実際にはシンバルは音が散るので,タムやスネアの連打とはまたちょっと役割が違っていて,案外実は地味だったりします。実際,ソロの最後では逆にタイコ系を多くしてます。とはいえ,このシンバルは,ライブ会場では結構インパクトあるのではないかな???と思います。(笑)
2番Cメロ部
間のフィルはスネア連打。Cメロへの繋ぎは逆に音域差を利用したタム流しによる連打。Dに入る前はやっぱりフラム。COJではこのフラム,サイドスネアで入れてます。
2番Dメロ部
この間奏後でのドラムが,1番のドラムよりも地味です。(笑) フツウの曲は最後に盛り上げますが,この曲は間奏〜Cメロが盛り上がり部で,この箇所は,むしろEndingへのフリみたいな感じ。途中で区切りになるような16ビートでのフラム2発を入れてますが,それ以降がEndingと徐々に被っていくことを示唆するようなフィルに思えます。
D'〜Ending
最後のフィルは基本的にはシンバルとスネア連打。速いフラム3発で繋げた箇所は,COJではタムの32分連打(カッコいい!!!)。ライブで盛り上げるには最適なフィルです。元々ミディアム・テンポなので実際にはそれほど速いわけではないのですが,ゆったり始まった曲が徐々に各楽器の手数が増えてサウンドが重厚になっていったところの最後の締めのような感じがします。原曲もCOJもfade outで終わりますが,COJでのEnding部でのハイハットは,Intro(1)に16で入れたハイハットにちょうど回帰するような感じに聞こえます。

UP

Something Extra

私がCOJで最も印象の深かったシーンのひとつが,ここのツイン・ギター部でのエレピ!ここ,多分リハのときに「山田さん,ここエレピで絡んでよ」みたいな会話があったのではないでしょうか? あくまでカメラがツイン・ギターの二人を映しているのに,直樹さんも誠さんも山田さんのほうを見てニヤっと笑っているんですよね! なのに,映像がこの部分の山田さんを撮ってないんです!できればここで山田さんを映して欲しかった!

このCOJ,はっきり言って,本来映すべきでないか?と思うところ(人)を映してないような気がするところが随所にあって,ちょっとイライラするところもあるんですが,さすがにドラムは基本的にフィルを映せばいい(4小節目や8小節目)ということもあってか,割合ショットが多くて,私は結構嬉しいです。(笑) ただ,多分ハットの速打ちを映そうとしたんだろうけどちょっと遅かった,みたいなのもあってちょっと笑えます(何故かハイハットだけ映っているという結果に(笑))。

カッコいいギター・ソロ部では,COJでは直樹さんが手を振り上げて観客にアピールしている映像が印象的です。これ,ベースのフレーズが直樹節だからこそできるワザですよね。(笑) フツーのベースの入れ方だったらここまで合間がありません!

それにしても,おかもっちのこのハイハットへの凝り様は一体どこから来てるのでしょう? A-B-B'でのハットの変化に気づいたときは,思わず笑えてきてしまいました。だって,よっぽど注意して聞かなければ,これ,普通気づかないでしょう。それでもこだわるところが,既に美学と化してます! それと,ハイライトはやはりシンバル! こんなタイミングでこれだけの数のシンバルを入れるドラマーはそういません(Jeff Porcaroもよくウラでシンバルを入れますが,おかもっちの方が数が断然多いです!) オーケストラで最も難しいパートのひとつがシンバルだと聞いたことがありますが,よほどリズム感とタイミングを計る能力に自信がなければできないワザです!

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