Live: A.O. Session 2008

Last Updated: Mar.14,09; Open: Mar.17,06
アツオ・オカモト・セッション(仮)池袋: Miles' Cafe (Jul.29,08) ライブ・レポート

一ドシロウトの戯言と割り切ってお楽しみいただければ幸いです。

メンバー:中川雅之(G), 坪井寛(G), 鳥居克成(K), 滝元堅志(B), 岡本郭男(Ds)

Place

Miles' Cafeは,マイルス・デイビスから名前を取ったというジャズ系ライブハウス。収容人数50名の小さなスペースながら,ガラスのテーブル,白いチェア等,白を基調としたお洒落なインテリア。ステージとの間に段差がなくてアットホームな雰囲気で,客席よりもステージのほうが幅が広く設定してあるので,おかもっちのドラムセットもちゃんとドラムラックシステムを使用。アコピも置いてありましたが,今回ちゃんと出番がありました。^^

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Total Impression

いやあ,もうねえ,めちゃくちゃカッコよかったですよ。元々私はフュージョンが好きで,ロックも好きなので,ジャンル的にモロ好み,というのもありますが,中川・滝元・おかもっちの3名は,もうサウンドががっちりと安定していて既に一体感があるわけですよ。ところがですね,今回初お目見えの坪井・鳥居組は,ちょっと毛色が違うんですよね。普段はアコースティック系の演奏が多いようなのですが,なんとも繊細で優しいメロ〜な雰囲気が,いわゆる「プラスの異分子」ぶりを発揮してまして,サウンド的に一気に「未知数度」が増した感じで,なんか,バランスがすっごく良いんですよ。しかも,仕掛け人のおかもっちが,この新たに呼んだお二人のソロ・フレーズを大事に大事にしながらフィルを入れるんですね。私はGentle Cats Sessionを見ていないので,これまでとの比較がどうしても諸岡ライブやスティーヴ・ルカサーになってしまうんですが,このあたりには無いテイストが加味された感じで,とにかくすっごく面白かったです。んでもって,今後どうなるのかも楽しみです。^^ かなりいろんなテイストが加わる可能性大ですよぉぉぉぉ。^^

おかもっちもねえ,カッコよかったですよぉぉぉぉぉ〜。同じ叩きまくりでももちろんフレーズはぜーーーーんぶ違います。迫力,リズムの使い方,音数,使用音域(つまりどのタイコ,どのシンバルを使うか等),どこをとってもチェックポイントです。おまけにトークへの参加も加わって,おかもっちファン必見のバンドとなりそうです。

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The Performance of Each Member -- Harrietの豪放Talk --

Turn Backの解説をした時にJeff's Worldの管理人さんがつけてくれたコメント・タイトルをパクってみました。^^; 深く狭くが故に,あんまりいろんな音楽を知らないHarrietが,シロウトのイイカゲンさそのままにあることないこといろいろ書きます。あくまで個人的見解(<思い込みとも言う)で書いてますので,そのあたり,よろしくお願いします。^^;

中川雅之(G)

アツオ・オカモト・セッション(仮)というお名前をつけた張本人。^^ AB'SとTOTOの大ファンです。あ,こればっかり言っててすみませんね。でも,うち,AB'Sとジェフの応援サイトですので。^^v フリー・スピリット音楽芸能学園講師で,おかもっちとは講師仲間であり,諸岡ケンジのサポートメンバーとしても御馴染みです。

この方はですね,私が最初にGentle Cats Sessionの様子をメールで教えていただいた際,ライブにお誘いいただいたのですが,私が「名古屋なので。。。」と返信したところ,「そのうち岡本さんを僕が名古屋に連れて行きます」と豪語した気概に私は大変惚れ込みまして,以降密やかに応援中です。だから,早く名古屋に連れて来てね。 ^^v

さて,このお方,MCがめちゃくちゃ面白い!!!(爆)関西弁が飛び出したので学園のプロフィールを覗いたら,なるほど兵庫県のご出身でした。おかもっちと喋りのリズムとコンビネーションが合ってるのは,このせいもあるかもしれません。

で,今回はツイン・ギターということでしたが,ソロを取る頻度は多分中川さんの方が多かったと思います。まあ指が動く動く動く動く! 特にルカサーの曲については,練習した指ではありません。とっくに弾き倒し弾き慣れまくった指です! 多分ルカサーの手癖が既に身についているのでしょう。しかも,それに引きずられずに,逆に自分のオリジナリティの中にルーク(ルカサー)を引きずり込んでいるんですよね。いろんな世界のトップ・ギタリストのテイストとテクニックをうまい具合に盗んでおいて,ちゃっかり自分のものにするあたりは,なんだか高度成長期の日本の技術者を思い起こさせます。(って,プロジェクトXかよ。^^; )音の歪み具合もなんともいい感じで,相変わらずいい音作ります。TT

そんなソロが多かった中川さん,坪井さんがソロを取っている時は,ピックを使わずにフィンガーで和音を出してる姿も印象的でした。ハコの音のキャパのせいか私の耳のせいか,残念ながらエレキのツイン・ギターのバッキングの方の音まできちんと聞けなかったので,この3本の指で鳴らすバッキング以外の印象をご報告できないのが残念です。TT まあでもこれは,次回じっくりチェックさせていただきましょう。^^v

私が中川さんがいいなあと思うところは,演奏するときの顔です。とにかく楽しそう,気持ち良さそう,幸せそうなんですよね。そうですね,AB'Sでいったら,渡辺直樹と松下誠を足して2で割ったくらい(!)嬉しそうに演奏してました。^^

でも,「おいおい」ってところもありました。ええ,うちのサイトはこういうところも容赦なく書くんです。(笑)
まず,MCに気を取られてギターの交換を忘れて,慌てて交換して急いでチューニングしましたが,そのツケが出ましたよね。曲に入ってからも何度もペグに手がいって,ついに坪井さんのソロ中,本格的にチューニングをし直してました。そういえば以前,Bon Joviのライブのときに,Richie Samboraもやたらチューニングを気にして,曲中チューニングをしてた時がありましたっけ。チューニングの狂いというのは結構よくあることなので仕方がないことなのかもしれませんが,今回についてはやっぱり,慌ててチューニングしたせいもあったのではないかと思います。今回は上述の通りバッキングが(少なくとも私には)しっかり聴こえなかったので,まああんまり問題なかったといえばなかったんですが,ハコの音が良かったらかなりサウンドに響いたのではないでしょか。まさに,MCを侮ることなかれ・・・ですよね。^^;(ただ,MC後,チューニングを始めたときに,他のメンバーがもっときっちりとフォローして時間を取ってあげてもよかったのではないか,という気もしないでもないですけどね。)

あとは,ピックを落としたことですね。(爆)いえ,落としたのはいいんですが,予備ピックがスピーカーの上というのは,工夫の余地がありそうな気がします(・・・というか,落としても普通拾おうとしないような・・・。^^; )。個人的には,何気にささっと予備ピックをどこからともなく取り出して何食わぬ顔して弾き続けて頂いてですね,「おお,さすがプロ!」と感嘆させていただきたいなあと。^^; バンド名の入った色とりどりのピックを,客席の雰囲気に応じていつでも投げられるようにスタンバイさせておいていただくと更によいかもしれません。^^v

ギタリストってピックの予備はどこに用意しているの?
コブクロの小渕やスピッツの草野あたりは,確かマイクスタンドにピックを挿してますよね。ちなみに,Yahoo!知恵袋にピックの予備なんて質問が出てました。やはり同じようなことを考える人っているんですねえ。(笑)

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滝元堅志(B)

先ほど,中川さんの出身地を見たときに,滝元さんもチェックしたら,なんと愛知県のご出身でした! こりゃ,名古屋でライブやるしかないじゃないですか!

この方も,フリースピリット音楽芸能学園の講師で諸岡サポートの一員。私は今までに学園説明会の講師演奏に2回潜っているのですが(わはは),2回ともドラムがおかもっちで(でなきゃ潜りませんけど ^^; ),ベースは滝元氏。Ron Brownのサポートメンバーで,Ron Brownが「Funky Kenshi!」と叫ぶと,いきなりソロを始める,というようなステージングになっているそうで,そのライブをご覧になった佐倉学園長様が講師にスカウトされたというエピソードが説明会の際,披露されておりました。おかもっちとは「親子リズムセクション」と呼ばれてます。年齢だけでなく,体格のせいもあるのでしょう。

そう,その小柄な身体で,ネックのぶっとい5弦ベースを自由自在にばりばり弾くんですよね。スラップ(チョッパー)の巧さが際立っていますが,そのスラップの音が太いんですよね。スラップって,弾く人によってはペラペラな音になってる場合もあるように思うのですが,そういうことが全くないので,おかもっちのドラムの音質と相性抜群です。使用音域は,渡辺直樹のように高い音はそれほど使わず,派手なスラップの使い手でありながら,かなりシブ目のフレーズも弾いちゃう非常に面白いプレイヤーさんです。^^

今回のライブでは,ベースとドラムの掛け合いがありました。^^ この手のセッションには多いパターンで,ベーシストが弾くフレーズを聞いて,ドラマーがそのフレーズの高低とリズムに合わせてアドリブで応じるわけです。まあ,一種のバトルですよね。(笑)このあたりは,おかもっちのところで改めて触れましょう。^^

今回は,私の席から見るとちょうど中川さんの後になっちゃってたこともあって,いまいち演奏する姿が見られませんでしたが,広いステージでは是非是非スペクトラムの頃の渡辺直樹のように真ん中まで出張って思いっきり魅せていただきたいと思います。^^

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坪井 寛(G)

長渕剛のサポートでおかもっちと一緒になり,その上手さから今回,中川さんとのツインを,という,おかもっちのインスピレーションを引き出して今回のセッションに導いた陰の張本人。普段はアコギの使用が多いようで,ボーカリストのNANAOさんと組んで,Be-Projectというアコ・ユニットでも活躍中です。

私は長渕ライブに行きましたし,DVDも持ってますので,アコギ演奏自体はチェック可能なのですが,今回のエレキでの演奏については,上述の通りウラでの音がいまいち聞こえなかったんですよね。そんなふうだったので,どこまで解説できるかわかりませんが・・・。

まず,最初にこんなことを書いていいのかどうかわかりませんが・・・イケメンです。(爆)<だって本当なんだもん〜 ライブ中,年齢の話題が出たんですが,年齢順でいくと,滝元<鳥居<中川<坪井<おかもっち,らしいんですね。で,中川さんもどちらかというとカワイイ系のお顔で若く見えますが(<年下なので言いたい放題),この方の場合,はっきり言って年齢不詳です。^^v

で,繊細そうな雰囲気そのまんまのギターのプレイは,さすがアコギのヘヴィ・ユーザーですよね。私はギターのことは(も)よくわからないんですが,アコギってものすごく繊細で,ちょっとピックの当たり方が変わるだけで音がガラッと変わりますよね? つまり,アコギが上手い人というのは,弦の押さえ方,ピックの使い方等が非常に卓越しているのではないかと普段から思っているのです。ピックの使い方やストロークの腕の動きを見ると,しっかり音の聞こえるハコで聞いたら,さぞかし聴き応えのあるバッキングなんだろうな〜ととっても残念。TT

でも,さすがにソロはしっかり聴こえましたよ。^^ まず音は,中川さんよりも細めの音色は,むしろ正統派フュージョンっぽい音色かな?という印象。コーラスを効かせているのかな〜?(<全然わからん)ツイン・ギターの場合,同じ音では面白くもなんともありませんので,そういう意味でもロックな中川ギターとのコンビネーションが良いですよね。^^ 弾くフレーズは,いやいや,なかなかどうして,ご当人の謙遜MCとは大違いで,とってもカッコいいんですよ。弾き倒し系なテクもあるんですが,メロディをより重視する感じで,とにかく弾くフレーズがすべてきれい。フレーズ集めたら曲が作れそうなくらい,歌心のあるメロディで,あくまで速弾きはその延長っぽかったです。なんか,おかもっちのドラムのコンセプトに通ずるものがある気がします。ロックな中川ギターとメロ〜な坪井ギターを組ませたら面白いに違いない。。。というのが,おかもっちの今回のセッションの元々の思惑だったのではないか,と妄想しております。^^

で,今回,中川・滝元・岡本の3名は普段から組んでいるので,コンビネーションが抜群だけでなく,お互いによく知っているせいか,非常に安定感と安心感のあるんですよね。その点,坪井さんは初参加ということで,多少やりにくい面もあったかもしれません。でも,ツイン・ギターだと,どうしてもギター2名ともがフロントになりますので,次回はもう少し前に出て,MCもがんがん行って頂きたいです。^^ なんか,いい具合のボケとツッコミになりそうな気配が漂っておりましたよ。^^

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鳥居克成(K)

そんな坪井さんの推薦で初参加の鳥居さん。普段はこの方もアコ系が多いようで,ブログを遡ってみていっても,メインはピアノ系が多いようです。サポート対象も,フォーク(といっていいのかな?)系が多そう。そしてご自身もブログで,今回の参加について,「本当にオレでいいのか?」みたいに書かれてましたが,もちろんいいんです,The Baked Potato Super Live! をバイブルと呼ぶような方の場合は。^^v 今回唯一,これまでにおかもっちと一度も演奏したことのなかった方でもあります。(おかもっちのドラムについての感想が欲しい〜〜〜〜〜っ!!!)

しかし,そんな私も,会場に到着して最初にこのかたを見てぶっ飛んでしまいました。だって,だって,髪型が・・・髪型が・・・。(爆)そう,モヒカンみたいになってたんですよ。ブログで気弱なこと書いてた割りに,メンバーでいちばん過激じゃないですかっ! こういう,やるときゃやるぞ!みたいなお方は,私は大好きでございます。^^

さて,私はこの日ちょっと体調が悪くて,宿に辿り着いたのも遅ければ,宿を出たのも遅く,おまけに思いっきり迷子になって,3名の通りすがりの方に地図を見せながら場所を聞き,最後にファミリー・マートの店員さんにセブン・イレブンの場所を聞くという大ヒンシュクをやらかしまして,そのせいで1曲目を逃したんですね。だから,最初に聞いたのが,2曲目のハーフタイムシャッフルの曲(だったと思う)なのですが,その曲のキーボードソロのローズの音がなんか妙な気がして,「???」と思ったのです。そしたら,演奏後のブログに,「ローズがちょい調子が悪い」とあったので納得。多分,「ちょい」ではなく,かなり調子が悪かったのではないかと思います。サスティンに問題があるというのは,ピアノ弾きには相当厳しいですよね。なんというか,ベートーベンもモーツァルトになっちゃうって感じなのです。^^; (意味わかります???)

でも,妙に思えたのはその曲の一部だけで,ボリュームが小さいかな?と思ったのはすぐに調整されて,バッキングもばっちし聴こえました。ギターのバッキングの音があまり来なかっただけに(あくまで私にとっては,ですが),キーボードがしっかり聴こえて良かったです。^^

で,まずはローズによるソロから。ファンキーな曲については,フレーズごとにリズムテーマを決めて弾く感じが多かったですね。リズムテーマ系ソロは和音で攻めるので,ギター・ソロが多いライブの場合はめりはりが出て非常に効果的です。で,ひとつのリズムパターンをどのくらい続けるのかがいちばんの勝負どころなのですが,このあたり,結構大胆でしたね。(笑)あくまで私個人の見解ですが,ローズ系のピアノの音ってきれいなので,ついピラピラと右へ左へ弾きまくりたくなるんですが,あれ,意外と聞いてて飽きるんですよね。だから,このリズムテーマ系が巧いかどうかが結構鍵になるわけです。David PaichやKeith Emersonも,弾き倒し系なテクニックを評価されてますが,和音リズムテーマ系ソロが実は意外と多くて,それをうまく組み合わせているからこそ弾き倒しが映えているのではないかと思うのです。今回,かなりの割合でソロにこれを使っていたので,後の方の曲のソロで弾き倒し系が出てきたとき,「きたきたきたーーーーーっ!」って感じになりました。うふふ。^^

あと,このリズムテーマ系ソロは他の楽器が絡みやすい,という利点もあります。今回は特に,おかもっちが積極的にいってましたよね。ドラム関連のお話はおかもっちのところでまた触れることといたしましょう。^^ 中川さんも,ちょっとギターできゅんっとおかずを入れたりしていたように思います。

で,ハモンドについても,Jon Lordみたいな弾き倒しはあまりなかったですね。あくまでメロディを重視した感じでした。^^

余談ですが,最初はちょっと緊張しているのかな?という印象があったんですが,曲が進むに連れてどんどんノリノリになって,髪型とノリ方が合ってきて(爆),この方,あと2回くらいセッションしておかもっち-中川-滝元路線の音に慣れたら,ものすごくぶっ飛んだプレイをするようになるんじゃないかしらん?と思いました。そのときがコワイ・・・じゃなかった,楽しみです。^^

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おかもっち

はい。Yamaha メイプルカスタム,シンバルはクラッシュ2枚,ライドとスウィッシュ(Jazz Master)でSabianのチャイナがなし。スネアはマヌ・カチェモデルでリムはウッドではなく通常。お片づけの時にボーヤの山崎さんにちゃっかり伺ったところ,最近のおかもっちはウッドリムはレコーディングで時折使う程度だそうです。キックのみマイクで拾ってあとはナマ音。キックまでナマだと,さすがにサウンドとしては物足りないかもしれません。

で,ええっと,何から書こうかな? ^^;

まず,私が今回のライブのメンバーを見て思い出したのが,去年のGentle Cats Sessionのときのおかもっちのこのセリフです:「パーカッションがいるとやっぱりラク」・・・そう,つまり,パーカッションがいないというのは,フュージョン系ドラムは結構大変なんですよね。TOTOですら,Renny Castroが入ってます。

おまけにおかもっちはサービス精神も旺盛。「お客さんが喜ぶように」がライブのコンセプトのひとつなので,レコーディングでグルーヴ重視で余計なことをしない曲でも,盛り上げるため,お客さんが喜んでくれるためなら,と,敢えてガンガンに叩いてきます。だから,おかもっちは,ライブとレコと聴きどころが別,という,ファンにとってはとってもお金のかかるドラマーなのです。TT

てなわけで,まずはベーシックなところから。リズムは,今回,1/2(ハーフタイム)シャッフルが3曲くらいはあったかな? おかもっちの1/2シャッフルには,他に追従を許さないノリの心地よさがありますよね。^^ 確か,レゲエ・テイストの曲もあったと思います。あとは,16ビートのファンキーな曲とバラード。どれをとってもグルーヴが気持ちよくって,しかもがっちりロックしているので,しっかりゆらゆらとっても幸せでございます。^^

そのくせ,小技も効いております。ダブル・ストロークのゴーストもありましたよね?

それではまずはシンバルワークから。前半の曲で,ハイハットを左足のみで操作して,右がライド,左がスネアだったと思うのですが,そのハットの音が,単に「チャッ!」と踏んでる音(よく拍子をとる代わりに鳴らすような音)と微妙に違っていて,2枚のシンバルが微妙にすり合わされるようなちょっと長めの響きがとってもきれいでした。前々からおかもっちのフット操作には興味がありましたが,もし私がおかもっちの教則DVDを作るなら,絶対左足のショットも入れます(爆)。なんたって上下違うメーカーのものをあわせているという凝り様ですので,おかもっちのハイハットワークには今後も何かにつけて探究していきたいと思います。

次にブラシワーク・・・といっても,これもシンバルネタですが。今回2曲で,それぞれ1番のみですがブラシを使用してたんですが,うち1曲で,ブラシの反対側(しっぽ側)で,ライドの面をひきずるような動作で音を出していたんですよね。ブラシのしっぽでシンバルを打つことは,Boz Scaggsのライブで,Harbor LightsのときにドラマーがやっているのをDVDで見たので知ってたのですが,あのひきずるような動作は一体何なのでしょう? ブラシの奏法については(も)全然わかんないので,またちょっと折を見て調べてみたいと思います。

他の楽器との絡みにいきましょか。^^
まず,ベースとの掛け合いは見せ場がありましたね。滝元さんが仕掛けて岡本さんが応える。こういうベースとドラムの掛け合いはセッションではよく見られますが,いやあ,滝元さんの繰り広げるベースのパターンのいやらしいこと!(爆)そんな滝元ソロの高低,リズムを生かしつつ,一瞬で更におかもっち流にアレンジして叩くフレーズ! 見応え,聴き応えばっちしで,いやあ,堪能させて・・・いや,まだまだですね,あの倍の長さがあっても私はきっと飽きずに聴き惚れていたことでしょう。ファンというのは貪欲なものです(って私だけか?)。

面白かったのが,ドラム叩きまくり場面への導入ですね。「はい,スタート」,という感じで始まるのではなく,その前のギター・ソロからだんだんバスドラを打つ頻度が高くなってきたな・・・と思ったら,というふうに,交替制ではなく絡ませながら突入するんですよね。これ,ありそうで案外ないパターンのように思います。あと,キーボードのローズでのソロでは,リズムパターンに合わせて,1小節分だけスウィッシュを連打したり,スネアを絡めたり,というようなアクセント付けをしていました。鳥居さんとおかもっちの絡みは,鳥居さんがおかもっちに慣れたら,とんでもないことになるかもしれません。^^ いやあ,楽しみですねえ。^^

ところで,AB'Sの場合,例えば前回のBlueのライブのときは,Night ViewInto the Lightの最後がドラムの見せ場でしたが,どちらかというとスウィッシュの多用でギターソロの味付けをしながら,という感じでした。歌モノが好きというだけあって,おかもっちの場合,ソロひけらかし系は好きではないとは思ってたのですが,今回はっきりと,「ソロは嫌い」っておっしゃってましたね。こんなとこまでジェフみたい・・・と思うのですが,ソロから逃げまくってたジェフと違って,期待に応えるところがおかもっちです。^^ おかもっちの場合はそれぞれのパーツの使い方や音数調整が絶妙で,ソロにも歌心があります(この歌心がこのライブのテーマか?)。今回特に感じたのは,やはりスネアの音の利かせ方の巧さ。タム系とキックでドカドカやっても,シャープな高音でスネアがバシっと入ることでビート感が保たれますし,なんといっても低音タム系連打の中で映えるシャープなスネアの音色がたまりませんよね。^^ この音色のメリハリ,ダイナミクスを,いろんなリズムパターンで展開していくソロは,聴き応えも見応えもばっちし。ただ,あんまり速いと,何叩いてんだかよくわかんないので,できれば上からのショットをスクリーンに出していただけると嬉しいです。^^ なんか,とんでもなリズムのソロがありましたよね。ふたつのタムを使って3連(6連?)系をバリバリに入れつつ叩きまくってたやつ(きゃあ!きゃあ!きゃあ!きゃあ!)。あれ,できれば楽譜で解説して欲しいです。^^;

次回は,おかもっち特有のスペースを生かしたフィルをロング・バージョンにしたようなソロも聴いてみたいですね。^^ なんたっておかもっちは,数少ない「作曲のできるドラマー」。他のドラマーとは一味も二味も違うドラムソロを,これでもかっこれでもかっってくらい聴き倒されたいです。(爆)いっそ,このバンドでしか聞けないソロというのを,バシバシやっていただいて,毎回毎回幸せにノックアウトされたいと思います。^^

スペースを空けたフィルといえば,最初のほうの曲で結構出てきてましたが,こういうときのおかもっちの腕の動きとタイミングの測り方も面白いですよね。腕をゆっくりと振り上げて,ビシっとくるわけですが,なんか,野球でピッチャーが振りかぶる時,妙にゆっくりなときってありますよね。おかもっちは中学時代,野球部でピッチャーをやってたわけですが,そういうのと通じるところがあるのでしょか? リラックスした腕の振り上げ方と,ビシっとくるときの腕の振り下げスピードとのギャップが,やはりあの「音」を繰り出す要素のひとつなのかな? なんて感じで見ておりました。^^

なんだかテク系なお話ばかりになってしまいましたが,聞かせどころでは余計なことをしずにグルーヴで押すのがおかもっちの基本。特に,ツイン・リードのところはしっかり聴かせて,ドラムはあくまでタイムキープしてました。このツイン・リードの心地よさの演出もおかもっちのグルーヴがあってこそ。^^ 当初緊張していた坪井・鳥居コンビが,徐々におかもっちのドラムのノリで揺れ始めていくのを見ると,「してやったり」なーんて思ってしまうのでした。^^ 後半なんてもう,ノリノリでしたよね。うっふっふ〜。^^

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Producer: Atsuo Okamoto ?

さて,今回のセッションは,中川さんと坪井さんを一緒に組ませたら面白いだろう,というコンセプトで始まったもので,元々の仕掛け人がおかもっち。主役は実はツイン・ギターのお二人です。それが,おかもっちメインな宣伝になってしまったのは,タイトルのせいで間違えたハコの宣伝を見て,それに合わせたためです。^^;

ところで,「仕掛け人」,というのは,要するにプロデューサーのようなモンだと思うのですが,どうでしょか?

Jeff Porcaroが,ソロアルバムを作らないのか?と聴かれた時に,自分はソロよりもむしろ他のアーティストのプロデュースをやりたい,と答えてたのを思い出します。そういえば,大村憲司のKenji Shock(Kenji Shockを選ぶと試聴できます)のプロデュースだってHarvey Masonです。Harveyが自ら叩きながら,曲によってはJeffを使いながら,この名盤を仕上げています。ドラマーというのは,後からすべてのプレイヤーを見ながら演奏しているので,ソロで目立ちたい,という人が多くてもおかしくない気がするのですが,逆に,全体をバックアップすることでひとつのサウンドを作り上げたい,という気持ちも出てくるのかもしれません。特におかもっちの場合は,ソロを作るとしても「歌モノ」にこだわってますので,皆に演奏させるドラム,というところに叩き甲斐を感じるタイプなのかも。^^

ただ,フツーは若手を育てる場合,自らバンドを一緒に組んじゃう,なんてことをする人はあんましいませんよね。でも,学園で10年教えてきたおかもっちには,自ら叩くことがいちばん手っ取り早くかつ効果的なことは十分実感しているはず。しかも,おかもっち自身,気の合う仲間とバンドを組んでデビューしたわけではなく,プロで活躍している一流ミュージシャン(愛奴って吉田拓郎のバックバンドですもんねえ)の中にいきなり投入されて,実際にセッションを重ねながらいろんな曲やアレンジに対応する実力を身につけていると思うので,そういったやり方での後進育成自体に興味があるのではないかと思います。

今後の展望としては,あくまでHarrietの個人的見解(妄想)ですが,まず,もうあと2〜3回ギグを行うことで,路線が定まってくると思います。その際の鍵がキーボードの音色。今回はローズとハモンドでしたが,ツイン・ギターに絡ませるのに,どの音色をエレピやシンセを使うか,で,ポップになるのか,LAサウンドちっくなフュージョンになるのか,それともロックになるのか,全く変わってきます。
次に,メンバーの歌唱力。これによって,ボーカルメインになるのか,それとも,たま〜にボーカルの入った曲が挟み込まれる程度なのかが変わります。なんたって,AB'Sと同じ編成ですからね。^^ 歌モノへの期待も高まります。
あとは,アコースティックな曲が入るかどうか,というのも楽しみですね。HarrietはLee Ritenourが好きなのですが,アコギのインスト曲("Waiting For You"(YouTube)とか)も良いんですよね。アコのインスト曲をツインで演奏して,シンセでストリングス音を絡めて・・・なんてやると,おかもっちのカホーンがここでも聴けるかもしれません・・・と,いろんな妄想がふつふつふつふつと湧いてきて,とっても楽しみでございます。^^

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Promotion Plan

まだバンド名も決まってないのにプロモーション??? はいはい,AB型のワタクシ,たまに(たまにか?)発想が飛びます。^^;

ところで皆様,「名古屋を征する者は全国を制する」というのを聞いたことはあるでしょうか? 何かの番組で小田和正も言ってました(<その昔,名古屋でライブの打ち合わせか何かをしていたとき,ずらっと客が並んでいたのを見て,一体誰のライブだろう?と思ったら,それがまだ売れる前の荒井由実だった,というもの)。要するに,名古屋で人気が出たら,全国区になれる,ということで,つまり,名古屋でまず人気をつかみましょう,という意味です(<そうか?)。(注: 正確には,「名古屋と札幌」だったかもしれません。)

てなわけで,まず,8月の諸岡ケンジのライブで中川・滝元・おかもっちがとってもいいプレイをします。そして,ライン録音した演奏を諸岡さんが東海ラジオ(ローカル)の「うたパラ!」で流します。んでもって,諸岡さんに何気にバックメンバーの紹介もしていただきます。こういうのを持ちつ持たれつといいます。^^ ほら,諸岡さんも名古屋ライブ前になりますから,ラジオでこれまで流してきた「Treasure」からの曲のライブ・バージョンを流せば,きっといい宣伝になります。^^

そして,中川・滝元・岡本の3名は,諸岡名古屋公演のサポートにも参加します(<こ・・・これが目的かっ!)。ここで大事なのは,このときにフライヤーを配るということです。TOTOのラストコンサートでちゃっかりルークが10月のライブのフライヤーを用意してましたが,それに倣うのです。ということは,名古屋でもライブをやれってことですね。坪井さんも9月にTOKUZOでライブやりますので,そこで配布するのも良いでしょう。^^ そして,11月頃にでも名古屋でライブをやって,いい演奏をして・・・。^^ ちょっと(ちょっとか?)私利私欲に走ってますが,まあ熱いラブコールということでご勘弁いただきたいと思います。^^

おことわり:2008年8月に書いたレポのため,プロモーション計画(<どこがだ?)が現実とズレてます。^^; 削除しようか迷いましたが,書いた時点の興奮を大事にしたいと思い,このまま残しました。ご承知置きください。^^;

なお,プロから見た正しいライブレポは,中川雅之Web Siteのライブレポでどうぞ。^^

[Mar.14,09 付記]

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お知らせ

Miles' Cafeは,演奏された曲を記録として映像に残して皆さんに紹介しているのですが,最近はYouTubeで公開してるんですよね。^^ ということで...

アツオ・オカモト・セッション(仮) ,YouTubeに登場!!!

時間制限があるのか前後がカットされてますが, うん,これならバッキング・ギターもしっかり聞こえますね。^^ ただ,たまに映像が極々僅かにですが飛びますかね? (うちがADSLだからかも・・・。^^; ) いえいえ,贅沢言いません。UPされて嬉しいです。ありがとう,Miles' Cafe。。。TT

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