Gear

Last Updated: May 7,09
当ページでは,当サイトBBSで話題になったジェフの機材に関わるネタを中心にまとめて掲載しています。^^

S-6214の変遷を追え!

事の起こりはおかもっち〜

ある日,姉妹コンテンツの主役のおかもっち(AB'Sのドラマーの岡本郭男)から,こんなセリフが飛び出しました:「パールのジェフモデルのスネアも持っとるよ

ちなみにおかもっちはYAMAHAのエンドーサー。いいのか,そんなコトを洩らして・・・。^^;;;

この時点でのおかもっちからの情報はただひとつ:「トリプルX時代にJun-Boh(河内淳一)からもらった」・・・。

てなわけで,調査開始。まず,1991年のドラマガに載ってた広告をチェック。90年代の広告をチェック。カッチョいいジェフのお写真とともに,3つのスネアが掲載紹介されています。

  • CL-5314-BR(メイプル:14"x5 1/2" 8テンション ブラスフープ)
  • S-6214(スティール: 14"x5 1/2" 10テンション スーパーフープ)
  • B-914P(ピッコロ: 14"x3 1/2" 10テンション ダイカストフープ)

まず,ピッコロは除外。メイプルかスティールか,ということになります。あと,S-6214は,1996年時点で,S-4214に変わっている,とDrum Brother(リットー・ミュージック) で読みました。

それでは,おかもっちのスネアはこの2つのうちのどれか???ということになるわけですが,当サイトの西の機材チャンプよっさんが一言:「ジェフのシグネチャー・モデルのスネアは存在しない」・・・ひええええええっ!

とはいえ,おかもっちがわざわざ誤情報を言うはずがありません。当然,河内さんが「ジェフが使ってた(のと同じ)スネアだよん」とおかもっちにプレゼントしたものを「ジェフ・モデル」とおかもっちが呼んだか,もしくは,河内サイドから「ジェフ・モデルだよん」と説明しておかもっちに渡されたのか・・・。まあでも,ジェフに叩いてもらってる河内さんですから,機材自体を間違えることは無いでしょう! ともあれ,ジェフが使ってた機種であることには違いないだろう,との仮定の下に話を進めましょう。

さて,上述の1991年のドラマガの広告では,S-6214は「TOTOのライブに使っていた」とあって,メイプルは「レコーディングに使用」とのこと。(まあレコだと見えないからわかんないですけど)。で,宣伝になるとしたら,「絵」として広告に写ってるスネアになるでしょうから,S-6214の可能性も結構高いかな?という仮定が成り立ちます。

で,どうしたかといいますと,手っ取り早く,岡本さんにメールで聞きました。(爆)メイプルですか?スティールですか?と伺ったところ,「スティール」であるとのお返事が。

ってなところで,そっか,それじゃ,S-6214だね・・・って結論付けようとしたところ,よっさんからとんでもないご報告が・・・!

よっさんレポより:Pearlのカタログから見るS-6214の変遷ぶり

そう,甘かったんですね,Harrietは・・・。このS-6214,ビミョ〜に仕様が変わっているのです! まとめますと・・・

1988 Vol.1
  • 型番:S-6214
  • サイズ:14"x5.5
  • ストレイナー:S-011
    よっさんによる補足(1)
    S-011は「ブリッジタイプ・ワンサイドアクション・ストレイナー」
    ストレイナー・カバー全体のアクションでスナッピーを確実にON/OFFさせるタイプ
    スナッピーのテンションは両サイドの回転ノブで,ポジションは両サイドのブリッジ部で調整
    スナッピーはロング・スケールで全面あたり
  • スナッピー:S-025
    よっさんによる補足(2)
    このカタログにはスナッピーについては記述なし
    S-025: ハイカーボン・スナッピーで,ステンレスよりやや硬めで素早い音の立ち上がりとシャープなキレが特徴
    パール・スネアー・ドラムに標準装備。定価 1,000円
    S-25S: ステンレス・スナッピー(オプション)
    弾性に富み耐久性の高いモデル。まろやかで乾いたサウンドが特徴。定価 1,200円
    ここでは標準装備であるS-013であると判断
  • 定価:35,000円
1988 Vol.2
  • 型番:S-6214
  • サイズ:14"x5.5
  • ストレイナー:S-013
    よっさんによる補足(3):
    S-013は「ブリッジタイプ・スムースアクション・ストレイナー」
    あくまでもシンプルなメカニズムを追求した機能優先モデルで,ストレイナー・レバーを横にスライドさせてON/OFFを操作
    スナッピーはロング・スケール全面あたりを使用, テンション及びポジションは両サイドで微妙調整可能
    ウレタン・ロックの使用でゆるみも防止
  • スナッピー:S-025(多分)(上述)
  • 定価:35,000円
1989 Vol.1
  • 型番:S-6214
  • サイズ:14"x5.5
  • ストレイナー:S-013
  • スナッピー:S-025
    よっさんによる補足(4):
    このカタログからスナッピーの型番が明記
  • 定価:33,000円

よっさんによる補足(5): このカタログからもうひとつのジェフモデル(?)One-Piece Maple登場!
よっさんによる補足(6): 1989 Vol.2, 1990 Vol.1, 1990 New Version, 1991 Vol.1でもS-6214の仕様はこれと同じ

1992 Vol.1
  • 型番:S-5214 (型番変更!)
  • サイズ:14"x5.5"
  • ストレイナー:S-012
    よっさんによる補足(7)
    S-012は「シンプルなメカニズムで好評のクロームフィニッシュのモデル。ショート・スケールのスナッピーは,ストレイナー部のノブで調整
  • スナッピー:S-022
    よっさんによる補足(8)
    ハイカーボン・スチール 20本 ショート・スケール
  • 定価:33,000円

よっさんによる補足(9): 1992 Vol.2-3,1993 Vol.1,1994 Vol.1では,これから変更なし

1995 Vol.1

型番がS-4214に!
ただし,特に仕様等は変わらず。

1997

ニューモデル SensiTone発売!
Standard Steelのスネア[S-5114D]: 14"x6.5"(浅胴(14"x5.5")はなくなり,深胴のみに)定価:24,000円

以上が「ジェフ・スネア(スティール版)」の変遷です。よっさん,ありがとうございました。TT

なお,おかもっちスネアの同定過程につきましては,おかもっちコンテンツのEquipment: Gear Historyをご覧くださいませ。^^

References

  • Pearl 歴代カタログ(よっさん資料)
  • リズム&ドラムマガジン Pearl 広告 リットー・ミュージック
  • Drum Brother リットー・ミュージック

UP

ジェフのドラムセットを追え!

ここで,ついでなので(<どこが「ついで」だ!),ジェフ関連のドラム記事やPearlの動向を振り返ってみましょう。

なお,ジェフの機材につきましては,詳細なレポがJeff's World: Drum Gearにありますので,そちらも是非ご参照くださいませ。^^

1983 Feb. Modern Drummer

  • (Paul Jamieson) "I've built a six-piece Gretsch Cherry Sunburst for Jeff Porcaro; ...."
  • "He(=Jeff) is endorsing Pearl however, and his current tour set-up is a 22 x 18 bass drum, with toms in the sizes of 10", 12", 13" and 16", extended shells. All his drums are double-headed, and he uses Remo Ambassadors, top and bottom, although sometimes a Diplomat on the bottom."

Harrietのカタコト要約:Paul Jamiesonの証言
「僕は6ピースのグレッチのチェリー・サンバーストをジェフのために作ったよ。」
「彼はパールとエンドース契約を結んでるんだけど,今のツアーでは,22"x18"のベースドラム,10",12",13"16"のタムをセットしてるよ。ジェフのすべてのドラムはダブルヘッドになってて,レモのアンバサダーをトップ,ボトム両側に使用してる。時々ボトム側にはディプロマを使うこともあるけどね。」

June,1988 Rhythm Magazine

"We used B & K's for overheads, which are incredible for cymbals: real high fidelity. As far as drums go, I used my standard sized Pearl Maple kit. No power toms. My bass drum is oversized. It's 18" x 22". With snare drums, I used a variety. An old Ludwig Black Beauty, a Pearl Piccolo, a Ludwig chrome and a custom Valley Drum Piccolo. The choice of snare changed with the texture and style of each tune. When we record, there's never any real rules. If there's a new drum or mic or effect or whatever, we'll try it."

Harrietのカタコト要約:
「僕たちはB & Kをオーバーヘッドに使ったよ。それはシンバルに信じられないほどいいんだ。本当に高品質なんだよ。タイコ類については,僕はスタンダードサイズのパールのメイプルのドラムキットを使ったよ。パワーサイズのタムは使わなかった。バスドラムはスタンダードよりも大きい18"x22"なんだけどね。スネアはいろんなのを使ったよ。古いラディックのブラック・ビューティー,パールのピッコロ,ラディックのクロムとカスタム・バレイ・ドラム・ピッコロを使ったんだ。スネアの選択はそれぞれの音のテクスチャーとスタイルで変えるね。レコーディングのときは,ルールなんてないんだ。もし新しいドラムやマイク,エフェクトでもなんでもあれば,まず僕たちはそれを使ってみるね。」

Nov,1988 Modern Drummer

"...Pearl jazz-size toms, 10", 12", 13", and 14" and 16" floor toms, an 18 x 22 bass drum, a Pearl piccolo snare, a Pearl standard-size metal snare, and I have a Ludwig Black Beauty and a 6 1/2" regular Ludwig metal snare drum."

Harrietのカタコト要約:
「・・・パールのジャズ・サイズのタム,10", 12", 13", 14"と,16"のフロア・タム,18x22のバスドラム,パールのピッコロスネア,パールの標準サイズのメタルのスネア,あと僕はラディックのブラック・ビューティーと6 1/2"のラディックのメタルのスネアを持ってる。」

Rhythm and Drum Magazine No.35 (1990: Past to Presentのとき)

  • メイプル・シェル。何もしてないシェルを送ってもらってLAで青のメタリック・フィニッシュにペイント。10", 12", 13", 14"のRIMSをつけたタム,Pearlのキャノン・タム,Bradyの10"のスネア。 ・
  • (Pearlの広告)紹介セット:MX-22ED-60JP(No.103 ブラックラッカー) MX-222EDH, MX-210DH, MX-212H, MX-213H, MX-2114H, MX-2116H, CL-5314-BR(カラー: No.114 リキッドアンバー) (型番のしっぽに「JP」)

Rhythm and Drum Magazine 2005年5月号:

  • 1981 Baked Potato: ラディックのメタル・シェル400 (14"x5)
  • Isolation: PearlMX (2005年: PearlMRX),スタジオはメタルスネア,ロードでは古いラジオキング
  • Pearl MR(現MMX)が出たとき,塗装しないままのものがジェフに送ったが,本人の手の渡る前に亡くなった(沼澤尚)
  • 「ジェフのために作られた?パールのスネア 単板メイプルのカスタム・クラシック 14"x5.5" 8テンション」p.44

ええっと・・・・。^^;;;

また改めてまとめなおしたいと思います。はい。^^;;;

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ジェフのスティックの変遷を追え!

詳細は同じく,Jeff's World: Drum Gear 「ジェフ・ポカーロ・シグネチャー・スティックの考察」を見ていただくとして・・・

実はBBSであれこれ語り合った時にはDVDからのキャプチャ画像やカタログ,雑誌等のスキャン画像等も参考資料としたのですが,さすがに著作権に関わりますので,正式UPにあたり,画像はカットいたしました。ご了承くださいませ。^^;

Jeff Porcaroスティック比較

このお写真はHarriet所持のJPモデルスティック。上が新品のRegal Tip。下はPearl Jeff Porcaro Model 110Aで,グリップのところのJAPANの文字が・・・(見えます〜?)。Pearl のスティックは,1985年頃大学の先輩にドラム・クリニック(1時間ですけど)をやってもらったときに使った覚えがありますので,購入はそれ以前ということになります。(あんまりはっきり覚えていない。)

こうしてみると,チップの形も長さも全然違います。Pearl の方がショルダー部分が太いですね。ラッカーを削ることで手の痙攣を云々とインタビューで答えていたジェフですが,Pearl のモデルはラッカーが塗ってあります。一方,Regal Tipはラッカーなし。

ちなみに,岡本さんのスティックもラッカーが塗ってあるのをサンドペーパーで削っている,ということだったので,最初からラッカーなしにしないのは何故ですか?と以前伺ったのですが,日本は多湿なのでラッカーをかけてないとすぐに反る,ということでした。日本でJPモデルとして販売するには,やはりラッカーが必要だった,ということかもしれません。

1981年 ドラマガ5月号
2005年5月号のRhythm &Drum MagazineにあったJeff PorcaroのThe Baked Potatoの写真を見ると,ロゴが見えず,チップの形もPearl 110Aとは違ってややまるっこいです
1982年 Pearlのカタログ
まだJeff Porcaroモデルの掲載なし。ジェフ・サイズのもの自体がありません
1986年 Pearlのカタログ
14.5x398 というジェフ・ポカーロモデル(Jeff Porcaro Model 110H) が大きくフィーチャー。グリップのところに,U.S.A.ヒッコリーという文字があります
1988 教則ビデオ
Hal Leonard社から発売されたJeff Porcaroの教則ビデオでは,エンドロールにRegal Tipの文字があります。
1988年 Rhythm誌 6月号
Jeff の特集記事のジェフの写真のスティックに,(筆記体ではなく)活字体でJeff Porcaroの文字が辛うじて見えます。同号の表紙の写真のジェフの持ってるスティックのチップの形状を見る限り,Pearl 110Aでないことは確実。
1988年 Rhythm誌11月号
小さすぎてよくわかりませんが,グリップ部分のロゴ,下のVIC FIRTHの上半分(VIC)に似ています。(おいおい)
1988年 Modern Drummer誌11月号
Calato Regal Tip の広告にジェフの写真が。これで,Jeffがエンドース契約をしていたことがわかります。ただしこの頃のRegal Tipは今とロゴが少し違います(というか,ちっちゃい)。
1990年 Pearlのカタログ
同サイズのところのモデル名が消されてます。ただし,そのサイズのスティック自体は存在しています。
1991年 2月号 ドラマガ No.35
同誌に掲載されたRegal Tip の広告から,ジェフが,Regal Tips Performer シリーズの8A ウッド・タイプを使っていたことがわかります。
1992年
よっさんが1992年8月5日(ううっ)にRegal Tip購入。ラッカー仕上げだったとか。ちなみに現行サイズは16x.555

なお,岡本さんから,こんな情報も頂きました:

(1) Jeff は一度,使用スティックのサイズを変えている

ミュージシャン仲間(樋口宗孝さん?)から,ジェフは昔は割合太めのものを使っていたのを細いのに変えて,「細いほうが自分にはいい」と言っていたと聞き,「Jeffが使っている」というスティックを持ってみたところ,非常に軽くて,「こんなに軽いのでTOTOをやってるの?」というような会話をした覚えがある。ツアーやら何やらで体力的にきつかっただろうから,そういう理由もあるかもしれない。

だから,逆に,その後で,細いものから太いものに戻した可能性もあると思う。

(2)当時のメーカーによるモニタリング用スティック配布

(いろんなスティックを使用していることについて)当時,ドラム・メーカーはかなり儲けが大きかったので,ジェフのような世界的なドラマーには,こぞってモニタリング用のいろんなスティックを持っていってたのではないか? マネージメント・サイドで受け取ったものなどもあったかもしれない。ドラマーとしては,曲に合わせて数種のスティックを使い分けたいというのは当然あるはず。

・・・岡本さん,ありがとうございました・・・。TT(うるうる)

なお,このスティック・ネタ,Jeff's Worldに提供予定だったのですが,あまりにJWの管理人さんが忙しそうでしたので,一旦こちらに掲載いたしました。^^

ご協力いただいた方々(BBSでの情報登場順)

下記の皆様にご協力を頂きました。ご協力ありがとうございました。TT

  • a2aさん(東の機材チャンプ)
  • よっさん(西の機材チャンプ)
  • 岡本さん(おかもっち:当サイトの姉妹コンテンツもご覧ください。)^^

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おまけ:Tips from Lenny Castro

さて,Harrietはある日,ジェフファンELPファンでもあるJunGreenさんに楽しいイベントがあるのでおいで,とお声掛けを頂きました。しかもLenny Castroもやってくる・・・ってどうなってんの??? ^^;;;

ま,そのあたりの詳細はいずれご紹介するとして,^^; この日Harrietは,家族の体調不良のため参加できなくなったよっさんから,あるミッションを受けておりました。それは・・・

「ジェフがパール以外ではどのドラムをよく使っていたのか知りたいから,レニー・カストロに聞いてきて欲しい。」

Harrietのアタマの中をよぎる一文字。。。「は?」

・・・でも,サイトのBBSで機材調べに機材調べに機材調べにと何かとお世話になっているよっさんのためと,頑張って聞いてきましたわよ,カタコト英語で。。(ううっ)。TT
(以下のやりとりは,Harrietのとっても曖昧な記憶に基づくものです。英文がおかしいとかあれとかこれとかツッコんではいけません。^^; )

Harriet: What kind of drumset did Jeff often use, except Pearl?
Lenny: Except Pearl? Actually Jeff often used Pearl.
(はりちゃん,固まる。)
Harriet: Well, yeah, I know he was an endorser of Pearl, so I guess he often used Pearl. But I think he had many other drumsets, such as Ludwig, Gretsch,...or Brady.
Lenny: Brady! Yeah! Brady!
Harriet: I was asked by my friend Yossan, who bought Brady drumset from Australia. He would like to know what drumset except Pearl Jeff often used.
Lenny: He often used Pearl.
Harriet: What color, or what finish?
Lenny: Natural, no lacquer.

・・・だそうです。^^;

で,あの,Pearlじゃなかったら掲載しないつもりだったんですが,思いっきりPearlだったので掲載することにしました。^^

もちろん,Harrietがその日のうちに,よっさんに任務完了報告メールをしたことは言うまでもありません。^^ そんな,余計ナゾが深まろうがなんだろうが,あとはHarrietの知ったこっちゃありません。はい。^^

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