Interviews: Motto TANABE

Last Updated: Jan.1,2010; Open: Mar.17,06
おかもっちとThe Triple Xで組んでいたベーシスト 田辺モット氏へのHarrietによるインタビュー (2007年8月13日- メールにて)

文中の太字等の強調はHarrietによるものです。

Motto Tanabe's Profile

Motto

田辺モット(Motto TANABE)

お誕生日とか血液型とか,ちゃっかり聞いちゃいました。^^v
1959年7月19日生まれ。B型。趣味を伺ったところ,「これといって無いですが、最近何故か?メダルゲームにハマってます。」とのことでした。^^

ええっと,1979年にSPINACH POWERというバンドでデビュー。(Wikipediaで調べたところ,織田哲郎さんや氷室京介さんが所属したことのあるナゾのバンドらしい)

1981年に難波弘之の呼びかけにより,Sense of Wonder(難波さんは Keyboard Magazineに「SOW」と略して書いてらっしゃいました)に参加(ドラムはそうる透),ELPと同じ編成のトリオによるプログレッシブ・ロック・バンドとして注目を浴びる。

Sense of Wonder脱退後は,主にスタジオワークで活躍。

1997年,桑名正博のライブ・サポートのメンバーで,The Triple X(XXX)を結成(オリジナル・メンバー:桑名正博,河内淳貴(現:河内淳一),田辺モット,そしてドラムが岡本郭男(おかもっち〜!)。現在の音楽業界へのアンチテーゼとして,敢えてインディーズ・レーベルでCDをリリース(CDの詳細はDiscographyをご覧ください)。
Led Zeppelinばりのハード・ロックで人気を博す。

2002年には,芳野藤丸,サントリィ坂本が加入し,『人生の訓示』でメジャー・デビューしたが,現在は活動休止中。ちなみに,どうもこの後,「トリプル東京」と名乗って,藤丸さん,岡本さん,サントリィ坂本さんと活動していたらしいです(>History参照!)

現在はスタジオやライブでの演奏活動の傍ら,京都RAGのベース教室で後進の育成を図られています。

使用楽器:YAMAHA TRBシリーズ(フレッテッド,フレットレス両方),TUNE(同左),Aria(同左)
※モットさんは現在,岡本さん同様,YAMAHAのエンドーサーです。^^

参照サイト:

UP

Interview (1) ドラムとベース

モットさんが初めて岡本さんと一緒にお仕事をされたのはいつ頃で,そのときの岡本さんのドラムの印象はいかがでしたでしょうか?

何年かはっきり憶えてませんが、十年ちょい前くらいかな?
河内淳一のソロLiveで初めて一緒に演奏しました。
リハーサルは松原正樹の自宅スタジオでヘッドフォンしながらやりました。 なのでレコーディングみたいな感じでドラムの音もクリアで今でも印象に残ってます。
パワフルというよりも、さすがスタジオミュージシャン歴が長いだけあって, 細かいハイハットの小技やシンバルのキレ等、ディテールにこだわってるなぁって思いました。僕のベースとの相性もとっても良かったです。

ヘッドフォンで聞いたあとで実際にナマで聞いてみて,印象は変わりましたか?

変わったかどうか?は正直憶えてないです。ごめんなさい。

ベーシストの方がドラマーとの相性の良さを感じるときというのは一般的にどういうときなのでしょうか?
また,岡本さんと組まれて,どんなときにいちばん相性の良さをお感じになられますか?

古風な言い方ですが、やはり「間」でしょうか。呼吸間というか。。
フィット感と、フィルインのタイミングが分かり易い(その逆のドラマーも面白いですが)。ボトムラインを作る上で、お互いの考えが似ている事(これはたぶん今まで聴いてきた音楽、バックボーンと一緒に演奏する曲が合致した為でしょか?)。

モットさんはドラマーとボトムラインをどのようにお作りになることが多いですか?
その際,ドラマーのどういう特色に注目されますか?それともあくまで楽曲優先でしょうか?
また,SOW(センス・オブ・ワンダー(Sense of Wonder))ではどんな感じなのですか?

もちろん楽曲優先ですが、何も指定がない場合、初めて合わせるドラマーには二通りのアプローチをします。
ひとつはルート音のみ全音符等のロングトーンでしか弾かない
それとは逆に僕の方から細かいフレーズをドンドン仕掛けていく
それで、そのドラマーの癖(間)を感じとってスペースを埋めていくというやり方です。
SOWはボトムも大事ですが、三人編成という事でアンサンブル上どんどんスペースを埋めていかねばならない緊張感と辛さ、楽しさが三位一体のグループです。
初期の頃、僕自身未熟だったせいか、そうる透のドラミングに合わせられなくて苦労しましたが、脱退後、10周年、20周年記念Liveと徐々にフィーリングが良くなっていく様です。キャリアを積み重ねる事でそうなったのかな? 30周年Liveがとっても楽しみです。

例えば,マーティー・ブレイシーさん(もんた&ブラザーズ)と岡本さんのドラムは,音質がかなり違うように思うのですが,ドラマーの個性に合わせて,ベースの音質面で調整される部分等ありますでしょうか? (ボリュームは除く(笑))

ありません。ミュージシャンはオリジナリティーが大事なので相手に音質を合わせる事は しません。ただ小屋に応じてローをカットしたりハイを上げたりはしますが。。 ちなみに僕はフレットレスベースがメインなんですが、フレットレスを弾く時はフレッテッドに近く、フレッテッドを弾く時はフレットレスっぽくイメージして演奏するよう心掛けてます。

UP

Interview (2) ベーシストから見た理想のドラマー

モットさんが相性の良さを感じるドラマー・・・を伺いたいところなのですが, お仕事に差しさわりがあってはいけませんので(笑), モットさんがよく聞くドラマー,もしくは好きなドラマーを海外に絞って,教えてください。

好きなドラマーは大勢いますがあえて「ナラダ・マイケル・ウォールデン(NaradabMichael Walden)」でしょか?
あとRushの「ニール・パート(Neil Peart)」なんかも好きかなぁ?


・・・ちなみに,ちなみに,ジェフ・ポーカロ(Jeff Porcaro)にはどんな印象をお持ちですか。(笑)できれば, カール・パーマー(Carl Palmer;ELPのドラマー)もお願いします。^^

もし自分がバンドを組むならJeffなら最高です。どんな楽曲でも対応できそうだから。。
Carlはプログレのドラマーの中では一番好きではありません。手数は多いものの ロックフィーリングのボトムには、いってくれないからです。ASIAを聴けば如実に 分かりますよ。

RushとELPはどちらもトリオ形式ですが,旋律を奏でるギターやシンセにメインで絡むのが,Rushの場合はベース,ELPの場合はドラム・・・という特徴があるように思います(そうでもないでしょか? あくまでシロウトの見解ですので,違ってたらおっしゃってください〜)。
SOWの場合,ドラムもベースもかなりいいバランスでシンセに絡んでいきますが,(a)ご自身がシンセに絡むとき,(b)ドラムがシンセに絡むとき,それぞれで,演奏時に特に意識されていることがありましたら教えてください。

(a)難波さんの書くフレーズはギター、ベースの運指、ボイシングを完璧なほど研究されてるので決め事はとっても弾きやすいです。それ以外ではSOWはプログレといっても(僕の在籍していた時代は特に)インプロヴィゼーションが主流でやはりスペースを見つけて穴を埋めていくって事でしょうか?
(b)ドラマーの多くはギター、キーボードが速弾きすると「俺も!俺も!」ってついて行くんです(笑)。そういう時こそベースがリズムの要になれるよう心掛けてます。

ところで,Mottoさんにとっての「理想のロック・ドラマー像」というのはどういうドラマーでしょう?

パワーがあって、スコ〜ン!とぬける音色。そして何より大事なのはロックスピリットです。
ジャズのドラマーでは叩けません(逆にロックドラマーが叩く4ビートも怪しいもんですが)。世代にもよりますが、僕が音楽に熱中し始めたころは、ベトナム戦争やら安保やら、平和へのメッセージとか・・・。ポリシーっていうか「ハート」ですよね
ただ音楽のカテゴリーの中のロックになってしまってる昨今、少し気になるとこです。
うぅ〜ん、うまく説明できなくてごめんなさい。。

ジャズやブルース等,別のジャンルではいかがでしょうか?

ジャズやブルースなんかもドラマーに限らず、歴史的背景すなわち黒人音楽のルーツは多少理解しておくべきでしょう。

かといって、そんなに難しく考える事はないです。音楽は演奏するのも聴くのも楽しむものです。演奏者(表現者)は、やはりオリジナリティが大事だと思います。

モットさんがベースを始めたきっかけを教えていただけますか?
最初にコピーした楽曲も教えてください。
また,プロになられたきっかけも,もしよろしかったら教えてください。

ベースを始めたきっかけは当時(中学生)まわりにベースを持ってる奴が一人も居なかったので目立とうと思ったのと、ベンチャーズを観に行った時にベースの音の存在感に感動したのを思い出して、って事かな。

プロとしては、18歳でハコバン(サパークラブやホストクラブ、キャバレー等で演奏するバンドです) を始めたのが最初で、きっかけは忘れました^^;
19歳で友達を頼って上京して、プロ、アマを問わず、がむしゃらにミュージシャン、音楽関係者に接触して何とかチャンスを掴みました。これもあんまり覚えてないけど、とにかく青春してたっす。。

話は前後しますが、中学の頃は皆と同じ様にディープパープル等は当然コピーしたし、当時ハンブルパイの大ファンで一番たくさんコピーしてました。
高校の頃はオリジナル曲のバンドを組んでLive活動もしてたし、ブルース、R&B等の 黒人音楽、さらにはマハビシュヌオーケストラみたいな変態音楽?や、プログレ、ラテン、ジャズ、環境音楽等々ハコバンを始める頃には一通りの音楽には触れてました

UP

Interview (3)おかもっちドラムの魅力に迫る!

モットさんは以前,日本でいちばんドラムの音がでかいのは,つのだひろさんと岡本さんだとおっしゃいました。うちのサイトでは,何故岡本さんのドラムの音がでかいのか,というナゾがまだ解決していません。モットさんからご覧になって,岡本さんのドラムの音がでかいのはどうしてだと思われますでしょうか?

わかりません^^;
カラダがでかいから!、、では、普通すぎますもんね。。
ロック系のドラマーは基本的に音がでかいです。ただ、ドタバタしてるだけの人も結構多いのも否めません。
オカモッチの場合、一ドラマーとして看板を背負ってるだけあって、バンドにしか属さない他のドラマーと違い、音の抜けや技術面でもかなり修練していなくてはいけないと思います。でないと個人で仕事貰えませんもんねぇ^^;
つまり、ロックドラマー + スタジオセッション等で鍛え上げられた音の抜け、タイム感、瞬発力 + カラダがでかい! が加味しあった結果ではないでしょうか?

モットさんがベースを演奏されていて,「今日はオカモッチと演奏してる!」と実感される瞬間というのはありますでしょうか?
もしある場合,どんな時にそうお感じになるか,教えていただけますか?

合宿レコーディングしたり、関西に行った時は桑名さん家に泊まり込んでキリがなく議論したり、、オカモッチとは寝食共にしてきた仲なんで家族みたいなもんなんです。だから他のドラマーとは全然安心感が違います

つまり、演奏が合わなかったり、意見の相違があっても平気で喧嘩出来るし、後々気まずくならないとっても良い関係だと思ってます。。

The Triple Xでの演奏にあたり,特に何か心がけたこと等はありますでしょうか?

ロックのベースを弾く事
よく桑名さんにも怒られたんだけど、ついついスタジオミュージシャン的に安全(キレイ?)なプレイに逃げてしまいがちだったんで、荒くてもズブトイ演奏を意識しました。メンタル面でもね。いわゆるロックスピリッツってやつです ^^;

UP

現在継続中です。続きをお楽しみに。^^

お礼: ご多忙のところ,ドシロウトのちょっと(かなり?)ズレた質問にも丁寧にお答えくださっています。この場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。^^

UP