アルバムでもライブでも最後に演奏されているのがこの曲。直樹さんいわく,「全員が違うフレーズを順番に歌い,最後にその違うフレーズを全員が一緒に歌う,というふうに考えて作った曲」。実にきれいなメロディが次から次へとやってきて,最後の箇所は直樹さんの狙い通り,素晴らしいハーモニーとなりました。ライブでは最後,楽器の音の方が消えて全員のコーラスで終わりましたが,そちらも本当に素敵でした。
ちなみに,A・B・D・Eメロはすべてコード進行が同じ。コードはだいたいこんな感じ:
Cadd9-Csus4add9-C-F-G/F-Em7-A7/G-F6-G/F-Em7-Am/G-D7-G7sus4-G
ついでにC(サビ)部:
F6-G/F-Em7-Am-F6-G/F-Em7-E7-Am-C7-F-Fm6-Em7-D7-Gsus4-G7
更についでに,最後のハモり:
C-Csus4add9 の繰り返し。(ほんとかな?)
折角なのでもひとつついでに間奏:
E♭-G-A♭-Gsus4-G (これの繰り返し)
あくまで「だいたい」です。(笑) まあ,キーボードで弾けば(あくまで)そこそこの雰囲気はこのコードで出せるとは思うのですが・・・。(ギターで弾いた場合はわかりません〜。)
前の曲が金物系鳴りっぱなしだっただけに,この曲ではそれが殆どなくて完全にスネア中心なのが印象的です。変化が殆どないのも特徴ですが,この曲の場合はあんまり変化をつけては意味がないですもんね。とはいえ,強弱やロール(?)を活かした打ち方は,ひたすらタイムキープという感じはなく,ちゃんと曲の演出の一部になっています。
最後の曲になってふと気づきました・・・結局このAB'Sというバンド,安藤さんが辞めたこの時点では,歌詞書いてるの,誠さんだけなんですね。(笑) なるほど,安藤さんに作詞家としてだけでもいいから残って!と哀願したメンバーの姿が目に浮かびます。(笑)
この曲はギター・ソロやこの部分のコード進行もカッコいいですが,なんといってもメインはコーラス。ところで,洋楽でコーラスがきれいな曲は,たいていハイトーンで,結構ストリングスと音が被ってキラキラし過ぎなので私は今ひとつ好きになれません。AB'Sはその点,裏声も使うけど高過ぎず,基本的にはちゃんと男声音域で歌が動くので,中低音サウンドに安定感があるように思います。この曲も,高音にハイハットとストリングス,中音域を中心としたボーカルとギターとブラシによるスネア打ち,そして低音がバスドラとシブーいベース・・・という音域バランスがとても心地良いです。
不思議とこういう淡々としたドラム(リズム)ほど,マシンと人とで差が出るように思います。機械の無機質さを狙ってわざと機械のままの音のものならともかく,ドラムに似せようと作ったものは,どんなにいい曲でも飽きてしまいます。TonightのEndingもそうでしたが,この曲は特にドラムを聴いていると,おかもっちの息遣いが感じられそうな錯覚を覚えます。こんなに素晴らしいコーラスの曲でドラムばっかり聴いているのもナンですが・・・。