Peanuts FAQ: 3. 平日版コミック (10) 国税局のネタ?
原著者: デリック・バング(Derrick Bang)
和訳:PFJW(Peanuts FAQ Japanese Workshop)
3.10) 国税庁(Internal Revenue Service(IRS) )をネタにした噂のコミックは,どこでを見ることができますか?
(訳: Charn)
できないのです・・・というのは,そもそもそれは存在していないからです。
少なくともみなさんが考えている形では存在しない,ということです。
賢明の努力にもかかわらず,インターネット上にピーナッツの「巷の風説(urban legend)」が流行りだし,こうした類いのことというのは瞬く間に広がることを考えると,この馬鹿げた噂を止めることはひょっとすると不可能ではないかと思ってしまいます。
しかし,できるだけのことはやってみます。
経済コラムニストでジャーナリストでもあるステファン・ムーア(Stephen Moore)氏は 「ナショナル・レビュー・オンライン(National Review Online)」の 2003 年 4 月 15 日付けコラムを次のような文で始めました。
「随分前に私はオフィスの壁に,ある古いピーナッツのコミックを額に入れて飾っていた。そのコミックでは,犬小屋のてっぺんに座ったスヌーピーがタイプライターをたたいていた。彼がタイプしていたメッセージは,『IRS御中:ボクの名前をあなた方のメーリング・リストからはずしてください!』 というものであった。」
唯一の問題はね,スティーブ・・・「古い」ピーナッツのコミックにはそういうのはない,ということなんですよ!
問題となったコミックは,チャールズ・シュルツ氏が 1997 年 6 月 19 日付で,スヌーピーがアンディとオラフの最新の手柄話をタイプしている話として世に送り出したものです。誰か--おそらく「まとも」なはずの時事漫画担当者あたり -- が「国税局御中:私は定期購読をキャンセルするために手紙を書いています。私の名前をあなた方のメーリング・リストから削除してください」とタイプしているようにそのコミックに文字を入れなおしたのでしょう。
そうだとしたら,また,これを生み出した元々のコミックが何であったとしても(それが実際にちゃんとしたオリジナルからのものであるなら),シュルツ氏への謝辞と彼の名をあげての出所明示することが時事漫画でも当たり前のことではなかったでしょうか。この細かいが重要な点に我々はずっと気が付かずにきたわけです。
新しいセリフはシュルツ氏特有の手書き文字とはおよそ似ているとは言えません。それなのに,この風説は私や他のインターネットでのピーナッツの専門家たちがしょっちゅうこのコミックが載っている本を教えて欲しいと頼まれるほど有名になってしまったのです。
このコミックはどこを探しても見つかりません,そもそも存在しないのだから。もしもあれこれ言ってくる人がいれば,このFAQを見せてあげて下さい。