Peanuts FAQ: 8. 音楽 (1) ヴィンス・ガラルディの CD

原著者: デリック・バング(Derrick Bang)
和訳:PFJW(Peanuts FAQ Japanese Workshop)

Last Update: Oct.1,08

8.1) ヴィンス・ガラルディ (Vince Guaraldi) の CD にはどんなものがありますか?

(訳:ミセス・フィールド)
(一時更新: 11/26/2007 (Charn))

故ヴィンス・ガラルディ氏は,最初の 15 本のテレビ・スペシャルの作曲を担当し,第 1 作目の映画では共同で挿入曲の作曲にあたり,ピーナッツのテーマとして 3 枚のアルバムをリリースしました。うれしいことに,今でも人気があり,ただちに CD 化されて再リリースされました。さらに,ミレニアムを目前にひかえて,4 枚目も発売のはこびとなりました。

一番人気があるのは,ファンタジー社 (Fantasy) からリリースされた,『スヌーピーのクリスマス』(#8431 A Charlie Brown Christmas )です。アルバムから 11 曲,それに,ボーナストラックとして前回のアルバムには未収録の "Greensleaves" (これは,"What Child is This" のロングバージョンになっています) も含まれています。ピアノはヴィンス・ガラルディ,ベースにフレッド・マーシャル (Fred Marshall),そしてドラムスがジェリー・グラネリ (Jerry Granelli) のトリオで,私の父がよく 「味のあるジャズ」 と呼んでいたものに仕上がっています。(CD の解説では,オリジナル LP のクレジットを調べてみれば分かるように,演奏者の名前が間違っています。)

次に人気があるのは,同じくファンタジー社からリリースされた 『チャーリーブラウン・オリジナルサウンドトラック』(#8430 A Boy Named Charlie Brown 同じタイトルの映画のサウンドトラックとお間違えなく *) です。これは,ガラルディ氏のテレビ番組『ドキュメンタリー』 (残念ながらビデオでの入手は未定) のサウンドトラックで,チャーリー・ブラウンとシュルツ氏のプロフィールを紹介しています。CD には,アルバムから 9 曲,それと前回のアルバムでは未収録だった 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン (Fly Me To The Moon)」 がボーナス・トラックとして含まれています。(これは,ピーナッツとは何ら関係ありませんが,他のピーナッツの曲と同じスタイルで演奏されています。) また,この作品もガラルディトリオ (Guaraldi, Marshall, Granelli) によるものです。

* [訳注: 同じタイトルの映画のリバイバル時の邦題は『スヌーピーとチャーリー』となっています。]

ガラルディは,3 枚目と 最後の "Peanuts" のレコーディングの折,レコード会社とスタイルを変えています。"Oh Good Grief" は,ワーナー・ブラザーズのレーベルからリリースされました。これは, そのアルバムに収録されていた 8 曲を正確に再現したもののため,わずか 28 分しかありません。しかし,サウンドがはるかに豊かで,むしろこれは 「いかした 60 年代」 後半の産物と言っていいでしょう。ピアノ,ハープシコード: ヴィンス・ガラルディ,ドラム: カール・バーネット(Carl Burnett),ベース: スタンレー・ギルバート(Stanley Gilbert),エレキギター: エディー・デュラン(Eddie Duran)です。

このアルバムから 30 年が過ぎてから,ファンタジー社は,「新たに」,ガラルディの遺作として,彼がテレビで作曲を担当したピーナッツのテーマ曲集をリリースしました。『チャーリー・ブラウンの休日(Charlie Brown's Holiday Hits)』 も短いアルバムですが,"A Boy Named Charlie Brown" と "A Charlie Brown Christmas" から 再び 5 曲が録音されています。しかし,未発表の曲も 9 曲,「ジョー・クール(Joe Cool)」 「サーフィン・スヌーピー(Surfin' Snoopy)」 「ハートバーン・ワルツ(Heartburn Waltz)」 「運動会(Track Meet)」 「チャーリーズ・ブルース(Charlie's Blues)」「グレイト・パンプキン・ワルツ(Great Pumpkin Waltz)」 ,『チャーリー・ブラウンの感謝祭 (A Charlie Brown Thanksgiving)』 のメイン・テーマ,「草競馬(Camptown Races)」のガラルディ版カバー,そしてプロデューサーのリー・メンデルソン(Lee Mendelson)の息子グレン(Glenn)と彼の 6 年生のクラスのみんなによる 「オー,グッド・グリーフ(Oh, Good Grief *)」 のボーカル版が含まれています。(この曲に歌詞があったなんてこと,ご存知の方いらっしゃいましたか?) 「新曲」 のいくつかは,モノラルで,放映用の編集の仕上げが出来ていなくて,突然始まったりフェイドアウトが急だったりと,まだまだ 「未完成」 の部分もありますが,ちっとも気になりません。ラリー・ケルプ(Larry Kelp)のライナー・ノーツは傑作で,ありとあらゆる素晴らしい情報に満ちあふれております。また,クレジットされた名前 -- これは信頼のおけるもののようですよ -- は,これまでにこうした素晴らしい音楽を一緒になって作り出した人たちに交じって,一つの 「共演者録」 を作り出しております。

2003年の夏,ヴィンスの息子であるデイヴ・ガラルディ氏(Dave Guaraldi)の努力のおかげで,『チャーリー・ブラウン組曲(The Charlie Brown Suite)』 という新たなコレクションが,ブルーバード・ジャズ(Bluebird Jazz) からリリースされました。このアルバムのメインの曲はタイトルトラックで,6曲のお馴染みのピーナッツのテーマ曲の非常に長い(40分!)編曲で,多くの楽章の組み局としてライブで演奏されました。このアルバムはまた,「ライナスとルーシー(Linus and Lucy)」と,「カスト・ユア・フェイト・トゥ・ザ・ウインド(Cast Your Fate to the Wind)」のライブ・バージョンも収録しています。

単独で収録されたピーナッツ・ミュージックの曲は,次のガラルディのアルバムでも聴くことが出来ます:

  • 「ペパミント・パティ(Peppermint Patty)」-- Vince Guaraldi with the San Francisco Boys Chorus のリイシュー盤CDに収録
  • 「フクメン怪人(The Masked Marvel)」 -- Alma-Ville に収録
  • 「チャーリー・ブラウン・ブルース (Charlie Brown Blues)」 及び 「君はスポーツマンだね,チャーリー・ブラウン(You're Good Sport, Charlie Brown)」 のタイトル・テーマ -- Oaxaca に収録
  • 「フクメン怪人(The Masked Marvel)」(別バージョンでわずかに曲が長い) 及び「ライナス・アンド・ルーシー(Linus and Lucy)」 -- North Beach に収録

* [訳注 : レコード,CD 共に日本未発売で邦題なし。]


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