Peanuts FAQ: 8. 音楽 (5) これらの曲の楽譜
原著者: デリック・バング(Derrick Bang)
和訳:PFJW(Peanuts FAQ Japanese Workshop)
8.5) これらの曲の楽譜はありますか?
(訳:ミセス・フィールド)
(更新分: Pea)
注)邦題のあるものについては日英表記,ないものについては英語表記のみにしてあります。(英名タイトルの意味がわかりにくいものについては,()で和訳を付記。)また,冗長になるため,一度英語のタイトルを付記したものについては,2回目以降に出てきた場合は英名はカットしました。
はい。しかし,最近までは入手困難でした。
『ライナス・アンド・ルーシー("Linus and Lucy")』 は人気があり,そのピースはこれまでもかなりいろいろなところで見かけることができました。最近のワーナー社(Warners) のカタログにも載っていて,大きな楽器店に頼めば入手できます。また同じようにして,『クリスマス・タイム・イズ・ヒア("Christmas Time is Here")』も,特にそのシーズンになる頃にはたやすく見つけることができるでしょう。
現時点で,ピーナッツの演奏家を気取る人はツイているといえます。と言うのも,ハル・レナード社(Hal Leonard) が 2001 年末にいくつか楽譜を出版したからです。それは広い年齢層を想定し,レベルもいくつもに分かれているのです。ほとんどが ハル・レナード社が1984年に出した Charlie Brown's Greatest Hits の収録曲がそっくりそのまま入っています(下記参照)。タイトルと演奏スタイルは次の通りです。
- The Charlie Brown Collection (#00313177, 中レベル・ピアノソロ) 18曲とピーナッツキャラクターがフルカラーで 8ページ,$14.95
- The Charlie Brown Collection (#00316070, 簡単なピアノ曲) 18曲とピーナッツキャラクターがフルカラーで 8ページ,$14.95
- The Charlie Brown Collection (#00100149, すぐに弾ける簡単曲) 11曲,$6.95
- The Charlie Brown Collection (#00316071, 大きな音符のピアノ曲) 12曲,$10.95
- The Charlie Brown Collection (#00316072, 片手で弾けるピアノ曲) 8曲,$7.95
- A Charlie Brown Christmas テレビ特番から選んだ10曲で,上記の5つのスタイルによるアレンジ
ハル・レナード社はまた,単独のピースも再発売しています。『ライナス・アンド・ルーシー』 ,『クリスマス・タイム・イズ・ヒア』 や 『チャーリー・ブラウンのテーマ("The Charlie Brown Theme")』 などで,演奏スタイルは上記の楽譜本と同じです。
しかし,最高峰に挙げられるのが The Peanuts Illustrated Songbook (#00313178,$19.95) で,極めてゴージャスな120ページの本となっていて,ピアニストの卵にも,鍵盤に指一本ふれようとも思わないような単なる古くからのヴィンス・ガラルディのファンにもうけることでしょう。これには何と30曲も収められており,これまでリリースされていなかったいくつかの曲も含まれています ---
例えば 『フリーダ("Frieda")』,『サーフィン・スヌーピー("Surfin' Snoopy")』,そして感謝祭の特番用メイン・テーマ曲(訳注:『感謝祭のテーマ("Thanksgiving Theme")』)。アレンジは中レベルの難易度ですが,レコーディングされた元の曲をそこそこ忠実に再現できるほど「緻密」に出来ています。更に嬉しい事には,本の最初にハンク・ボルドヴィッツによる素敵な紹介文が載っていて,そこにはガラルディ及びピーナッツ関連とメインストリーム・ジャズの両方における彼の業績が語られております。ジョージ・ウィンストン (George Winston) とヴィンスの息子デイブもこの文の中で紹介されており,またヴィンスが仕事中や仕事を離れた時の写真も,カラフルなピーナッツの面々の姿と共に,数多く収められています。ガラルディに関する記事は世に出ている彼の曲の楽譜の数より少ないので(その少ない記事のほとんどについて,私がお手伝いをしたのですからよく知っているのです),これはとってもありがたいことです。
そして最後に,ハル・レナード社はまたThe Vince Guaraldi Collection (#00672486 ,$19.95) をリリースしました。これはあくまでも「正確に」ガラルディそっくりに演奏したい人にとっては息をのむほど素晴らしいモノとなっています。このコレクションには昔のアルバムから選ばれた彼のアレンジによる 5 つ -- 『スヌーピーのクリスマス("A Charlie Brown Christmas")』から『グリーンスリーヴス("Greensleeves")』 と『もみの木("O Tannenbaum")』,そして『オルフェの唄("Manha de Carnaval")』 ,『もう一度("Outra Vez")』及び『オルフェのサンバ("Samba de Orfeu")』-- に加えて,彼の4つのオリジナル -- 『キャスト・ユア・フェイト・トゥ・ザ・ウィンド("Cast Your Fate to the Wind")』,『クリスマス・タイム・イズ・ヒア』,『ライナス・アンド・ルーシー』そして『スター・ソング("Star Song")』-- が一音一音正確に採譜されて載っているのです。皆さん,これは本当にお買い得ですよ。これら 9 曲でまるまる 85 ページにもわたるもので,天才でもない限り,ディナーパーティーで人を感心させてやろうとして直前に数時間練習してものに出来るようなものではありません。不肖 FAQ-マイスターを自認するワタクシめにとりましてもこのような本を生まれてこの方待ち望んでいたのです,生まれてからずっと・・・・その,つまり,かなり長い間!また,この本には明らかに筆者自身によって書かれたとおぼしき短い(1ページだけの)経歴が載っています -- というのも,他に名前のクレジットが一切ないものですから。採譜者のクレジットもありませんが,結局のところ,これがヴィンスの音楽である,と考えればそれでいいではありませんか。でもですね,誰かがとてつもない時間をこの本につぎ込んだわけで,それが誰だか分からないと言うのも悲しいものがあります。
歴史的に見ると,この質問はもっとややこしくなります。60 年代後半と 70 年代初期に,当時ハル・レナード/ポインター社( Hal Leonard/Pointer Publications)の一部門であったポインター社(Pointer Publications) から,簡単なピアノの教本 --- 『ピーナッツ・キーボード・ファン・シリーズ(The Peanuts Keyboard Fun Series)』---- が発刊されましたが,その曲のほとんどが,初期のテレビ番組から採られたものでした。どの教本も 32ページからなっており,中ほど 2 ページにわたって,番組のイラストがオールカラーで載せられています。曲目は往々にして重なっています --- つまり,もし 2 冊持っていたならば,それらには同じ曲と違う曲がそれぞれいくつか含まれているということです。
例えば,He's Your Dog, Charlie Brown には,全てヴィンス・ガラルディの曲,12 曲が含まれています: 『ベースボールのテーマ("Baseball Theme")』,『ブルー・チャーリー・ブラウン("Blue Charlie Brown")』,『ボン・ボヤージ("Bon Voyage")』,"Happiness Theme","He's Your Dog, Charlie Brown(タイトル曲)","Housewife Theme",『ライナス・アンド・ルーシー』(もちろん!),『オー,グッド・グリーフ("Oh,Good Grief")』,『ペパーミント・パティ("Peppermint Patty")』,『レッド・バロン("Red Baron")』,『シュローダー("Schroeder")』,"Schroeder's Wolfgang"。 これらテレビから採った楽譜はそれぞれ 2.95 ドルで,以下のラインナップになっています。
- A Charlie Brown Christmas
- Charlie Brown's All Stars
- It's the Great Pumpkin, Charlie Brown
- You're in Love, Charlie Brown
- He's Your Dog, Charlie Brown
- It Was a Short Summer, Charlie Brown
ポインター社は,第 1 作目のピーナッツ映画,『スヌーピーとチャーリー(A Boy Named Charlie Brown)』の楽譜も発刊しています。これには,ガラルディ氏のなじみの曲の他に,ジョン・スコット(John Scott)(訳注:ジョン・スコット・トロッター(John Scott Trotter))による伴奏音楽(『バスは走る("Bus Wheel Blue")』 のような)やロッド・マッケン(Rod Mucken)の主題歌が,他のヴォーカル曲(『チャンピオン・チャーリー・ブラウン("Champion Charlie Brown")』 他)に交じって収録されています。
これに加えて,ポインター社は,同じ曲のオルガン・アレンジをまとめた,教本 Organ Fun Boods を 2 冊,製作しました。第 1 巻は価格 2.92 ドルで,内容はPeanuts Keyboard Guide and Guide for Parents and Teachers (訳注:「大人のための指導書付きピーナッツ・キーボードガイド」の意)」,第2巻が価格 1.95 ドルで Peanuts Pointers chart which offers special creative styling techniques (訳注:「ピーナッツのとっても上手に演奏できるキーボード運指表」の意)」 です。(ま,どんなに頑張ったってガラルディ氏のようにはいかないでしょうがね...)
そして,最後に,The Peanuts Music Fun Notebook: $2.95 を紹介します。これは「子供たちが読んだり,描いたり,色をぬったりしながら音楽を学ぶ」ものです。この本の目玉は 「スヌーピーの切り取りカード(Snoopy Snip-Outs)」で,これは例えば音符の名前,音符の長さ,休止符,そしてリズムパターンなど基礎的なことを学ぶためのフラッシュカードとなっているのです。
これらは,全て絶版になっており,おそらく,入手は困難を極めます。(もし,どなたかこれを読んで,1つでもお持ちの方,ぜひ,お知らせください。)
マーシーと言うお名前 (本当にそういうお名前なんです) のファンの方から教えていただいたのですが,ピーナッツ映画第 2 作『スヌーピーの大冒険(Snoopy, Come Home)』の音楽の歌集が楽譜付きで出ているそうです。これは,56 ページからなるスパイラル・バウンド(らせん綴じ) -- 楽譜は本来こうあってほしい -- の 2 つ折の本で,チャールズ・ハンセン・ミュージック・アンド・ブックス社 (Charles Hansen Music and Books: ブロードウェイ 1860 ニュ―ヨーク 10023)より出版されたものです。著作権表示の日付からすると,これがリリースされたのは 1972年 で,アイテムナンバーは K540 となっています。別ページにまとめた歌詞や,『スヌーピーのマーチ("The Best of Buddies")』や『たよれる友だち("Fundamental-Friend-Dependability")』等の歌のピアノ伴奏バージョンに加えて,チャールズ・シュルツ氏のはしがきや映画のあらずじがイラスト付きで載っています。この楽譜は決してヴィンス・ガラルディのアレンジするジャズのように複雑ではありませんので,数週間頑張ればすぐに 「ピーナッツ音楽の達人」 になれるでしょう。
1984 年,ポインター社から独立した,ハル・レナード社は Charlie Brown's Greatest Hits (#HL00240155) を出版しました。価格は 5.95 ドルで,56ページから出来ており,すべてヴィンス・ガラルディの作曲とリー・エヴァンス(Lee Evans)の編曲による 18 曲のほぼ完璧なコピーとなっています。ハル・レナード社のウェブサイトは,http://www.hallwonard.com。注文も随時受け付け。価格:10.95 ドル(初心者用 #00240154 価格:8.95 ドル )。電話でのご注文は,ミュージック・ディスパッチ(Music Dispatch: (800)637−2852) へ。
デビー・カミングス(Debbe Cummings)よりサンホーク社(Sunhawk Corporation: URL: http://www.sunhawk.com )の情報が寄せられております。同社では,低料金で楽譜のダウンロードサービスを行っています。これを読んでおられる今頃にはワーナー社の楽譜が入っているはずで,『ライナス・アンド・ルーシー』の楽譜も含まれております。料金は 4.95 ドルです。サンホーク社は,ワーナー社がもっとガラルディの曲をリリースしてくれることを期待しています。問い合わせ先:1−888−SUNHAWK FAX:(206)528−0942。
(楽譜は,ピーナッツ関連商品の中でも,マニアには,まだ,広く知れわたっていないものの一つと言えるでしょう。)
CPP/ベルウィン社(CPP/Belwin)の 『ハッピー・アニヴァーサリー,チャーリー・ブラウン&スヌーピー(Happy Anniversary, Charlie Brown)』の楽譜はもっと簡単に見つかるでしょう -- がしかし,あまり長く買うのを躊躇しないで下さい。こうした類の本はすぐに絶版となるものです。この 『ハッピー・アニヴァーサリー・・・』 の楽譜本は 36 ページ構成で,CDと同じ曲名の 11 曲が含まれていて,そのうちの 8 曲はガラルディ作品なのです(もちろん ,『ライナス・アンド・ルーシー』も含まれています)。難易度は高いですが,時間をかけてマスターすれば,とてもすばらしいピアノ演奏になるでしょう。
この他に確実に入手できるものとして,『スヌーピーのクリスマス(A Charlie Brown Christmas)』 の歌集があります。同名の CD の曲全てが入っています -- そして更に嬉しいことには -- ビル・ガリフォード(Bill Galliford) と デヴィッド・ピュー(David Pugh) によってピアノ用に,ガラルディのユニークなスタイルで,アレンジされているのです。『ライナス・アンド・ルーシー』 や『クリスマス・イズ・カミング("Christmas is Coming")』といったガラルディのピーナッツ・オリジナル曲だけでなく,『ホワット・チャイルド・イズ・ディス("What Child Is This")』 や『もみの木』 などのジャズ版も手に入れられると言うわけです。このコピーは完璧で,ピアノの調律がぱっちりであれば,CD と一緒に演奏するとまるでガラルディ自身が弾いているように聞こえることでしょう -- 更には -- 『ザ・クリスマス・ソング("The Christmas Song")』のスウィング感あふれる演奏で,このクリスマスにはあなたの友達を驚かせてることだって出来るのです。簡単なバージョンとレギュラーバージョンの両方ともがあります(後者は最初に出た時は 32 ページ,価格は 13.95ドルでした。)ご注文は,
CPP Belwin Inc.
15800 NW 48th Avenue, Miami, Florida 33014
(305) 620-1500
クレジットカードをお持ちであれば,電話で注文できます。
CPP/ベルウィン社はまた,デイヴ・ブルーベックの CD『スヌーピー月旅行(Quiet as the Moon)』に付いてくる 2 つ折りの本を作りました。このなかで『アメリカへようこそ・ナサ宇宙基地(This Is America,Charlie Brown "The NASA Space Station")』 のお話で使われている曲がフィーチャーされています。この 32 ページからなる本は 1992 年に 12.95 ドルで発売されたものですが,この中には 8 つのブルーベックのオリジナル曲と 2 つのガラルディの曲(『ライナス・アンド・ルーシー』 と 『キャスト・ユア・フェイト・トゥ・ザ・ウィンド』),それにハリー・デイカー(Harry Dacre)がアップテンポにアレンジした 『バイシクル・ビルト・フォー・ツゥ("Bicycle Built for Two")』 が含まれています。本の前半部には,ブルーベック自身が回想した文章が 3 ページ,そして,アニメ製作のエピソードのイラストも含まれています。
ピーナッツの舞台劇も根強く人気を維持しているおかげで,それら劇に出てくる曲のソング・ブックも簡単に手に入ります。最新版の 『君はいい人,チャーリー・ブラウン(You're a Good Man, Charlie Brown)』 は,MPL コミュニケーションズ社(MPL Communications) の発行で,ハル・レナード社が販売を担当しています。48ページからなり,価格は 8.95 ドル。10曲含まれており,モノクロの作品写真が 3ページあります。ただし,以下の 4 曲は,含まれていません: 『読書感想文("The Book Report")』,『レッド・バロン』,"Queen Lucy",『グリークラブの練習("Glee Club Rehearsal")』。
こちらも ハル・レナード社が販売元になりますが,チャペル/インターソング・ミュージック・グループ(Chappell/Intersong Music Group) が『スヌーピー!!!(Snoopy!!!)』 を出版しました。64 ページからなり,価格は 8.95 ドル。モノクロの作品写真も 8 ページにわたって載っています。ただ,熱烈なファンにとっては,少し不可解でガッカリするような内容かもしれません。そのうちの一つ -- "Friend" -- はこれまで常に演奏されてきたものですが,もはや今でははずされておりますし,このほかにも 4 曲 -- 『エドガー・アラン・ポー("Edgar Allan Poe")』,『寝ずの番("The Vigil")』,『偉大な作家("The Great Writer")』,『ビッグなワンワン("The Big Bow-Wow")』が,含まれていません。(蛇足かも知れませんが,この本には,英国バージョンの舞台でのみ使われた追加の4 曲も含まれてはおりません。私の知る限り,英国版の 2 つ折判(フォリオ判)ソング・ブックは製作されていません。)
最後に,ピーナッツ音楽のジャンルにおいてぴかぴかの新曲が生まれております。これはエレン・ターフ・ズウィリック(Ellen Taaffe Zwilich)の手になる全く新しいコンチェルトで The Peanuts Gallery と呼ばれるものです。しかしまだ CDとしてのレコーディングもリリースもされていませんが,楽譜は入手できます(この楽譜があることによって練習がとってもおもしろくなるはずです。と言うのも,今までに貴重な生演奏を聴いた事がないならば,サウンドがどんなものであるか,わかりませんから)。
セオドア・プレッサー社(Theodore Presser Company) からはこのコンチェルトの楽譜が3種類出ております。"Lullaby for Linus" は 2分の曲で,ズウィリック自身がピアノ・ソロ用にアレンジしたもの。これに加え,"Snoopy Does the Samba" の普通のバージョンと,ピアノ抜きのオーケストラとそのピアノの全ソロ・パート・バージョンがそれです。
The Peanuts Gallery は,私たちが愛して止まないコミックのキャラクターたちを従えて,1997 年 3 月 22 日,カーネギーホールの舞台に立ちました。ズウィリックは,女性として初めてピュリッツァ賞音楽部門でその栄誉に輝き,ピアノや室内楽,オーケストラやバンドのための曲を数多く残してきました。
Lullaby for Linus (140-40075),Snoopy Does the Samba (140-40076) は,全 Peanuts Gallery (440-40021) の楽譜と同様に音楽関係のディーラーを通じて販売されています。エレン・ターフ・ズウィリックに関する情報,あるいはパンフレットは,プレッサーズ・セールス課(Presser's Sales Department: (610)525-3636, ext/Fax: (610)527-7841) にお問い合わせを。メールアドレスは sales@presser.com。