Peanuts FAQ: 4. 登場人物 (6) 登場人物のルーツ

原著者: デリック・バング(Derrick Bang)
和訳:PFJW(Peanuts FAQ Japanese Workshop)

Last Update: Oct.1,08

4.6) 登場人物にはそれぞれルーツがあるんですか?

(訳: Charn)

1975 年に出版された『ピーナッツ・ジュビリー』(Peanuts Jubilee)の中で,チャールズ・シュルツ氏は,高校時代,シャーロック・ホームズの大ファンで,自分で描いたコミック形態のホームズ物語のイラストをスクラップブックにいっぱい貼っていたと述べています(あ〜あ,今それを見ることが出来るのなら何でもあげちゃうのに!)。シュルツ氏の友人の一人であるシャーミー (Shermy) が,ホームズの熱心なファンの一人であり,そのため,シュルツ氏はピーナッツの最初の登場人物の一人に彼の名前をつけることで,その敬意を表したのです。

『ピーナッツ・ジュビリー』 の中にはまた,ライナスに関しては,アート・インストラクション・スクール時代のシュルツ氏の友人の一人から名前を取ったと書かれています。シュルツ氏は,髪のくしゃくしゃな子供を登場人物に登場させる事を考え,近くに座っていたライナス・モーラー(Linus Maurer) に,描いてみたスケッチを見せました。モーラー氏はそのスケッチを気に入り,シュルツ氏はそのキャラクターにライナスと名づける事で,彼に感謝の意を表したのです。

最後に,『ピーナッツ・ジュビリー』では,シュローダーが,シュルツ氏がかつてセント・ポールのハイランド・パーク・ゴルフ・クラブで一緒にキャディーをしていた少年にちなんだ名前だと言うことが明らかになりました。シュルツ氏はその少年の名前が思い出せなかったのですが(実際,「シュローダー」は彼の苗字なのです)その名前自体はコミックのキャラクターにぴったりだと考えたのです。(この起源から,「シュローダー」は実際には私たちが大好きなベートーベンマニアの少年の 「名前」 ではなく 「苗字」である,という議論に有利な証拠ですが,私はその議論には賛成しません。ピーナッツの子供たちが自分たちの仲間の一人だけを名前でなく苗字で呼ぶというのは統一性に欠けます。もう何年にもわたって 「シュローダー」 は,「私たちの」 シュローダーの 「名前」なのです。

スヌーピーの最初の飼い主であるライラ (Lila) は,実在の少女から名前を取っています。ライラ・メイ・ビスコフ(Lyala Mae Bischoff) は,チャールズ・シュルツ氏がセント・ポールにあるセントラル・ハイ・スクールにいっしょに通っていた少女でした。彼女の息子であるジェイク・ウッド(Jake Wood) の職場仲間である一人のファンのおかげで,私はこの素敵な物語について少しだけわかりました。ライラは明らかにハイスクール時代のほとんどを病気で過ごしました。彼女とシュルツ氏はバスで一緒に登下校していました。二人は同じ学年で,確かに彼は彼女に強く惹かれていましたが,病気でずっと学校に行けなかったせいで彼女が自分より 2〜3歳年上だったので少し恥ずかしかったようです。ジェイクは,シュルツ氏が,スペルは違うものの,ライラの名前をコミックに使ったことを知らせるために,彼女宛てにサインをして贈った古いピーナッツの単行本を持っています。その本には手紙が添えられていました。それには,彼女がまた病に臥していることを聞いてどれほど悲しく思っているかが書かれ,また彼女と彼女のご主人に対し,ご多幸を祈ります,と綴られていました。なんというか・・・それは我らがよく知り,また愛するスパーキーらしいとは思いませんか?

チャールズ・シュルツ氏の長年の友人であるフリーダ・リッチ (Frieda Rich) は,同名であるあのキャラクターの発想のもとになりました。(実在のフリーダも,インクで描かれたフリーダと同じくらいおしゃべりだったのかな,と思う人もいるでしょう。) 彼女は 1994 年になくなり,アンドレア。ポッドリー(Andrea Podley) のピーナッツ・コレクター・ニューズレターに短い追悼文が引用されています。「彼女は愛すべき人柄の素晴らしいアーティストであり,スパーキーと共に私たちも彼女がいなくなって悲しく思います。」

リタ・グリムズリー・ジョンソン(Rheta Grimsley Johnson) によるシュルツ氏の伝記 『グッド・グリーフ (Good Grief ) 』 は,キャラクターの名前の実在の人物からの由来について紹介しています。ほとんどがファラオ・ブックス出版社のハードカバーの第一版の 145 ページに載っています。

スヌーピーのテニスのパートナーであるモリー・ボレー (Molly Volley) は,シュルツ氏の実際のテニス仲間であるモリー・アクリー(Molly Aculey) が元になりました。

ライナスの大好きな先生であるオズマー先生 (Miss Othmar)は,シュルツ氏の友人であるオズマー・ジャリシュから名前をもらいました。彼女は地元の動物愛護協会を運営し,1988 年に亡くなりました。オズマー先生は結婚して,へジメイヤー (Hagemayar) に苗字が変わりますが,この名前は,シュルツ氏の軍隊仲間の一人であるエルマー・ヘジメイヤー (Elmer Hagemayaer) と結婚したマーガレット・ヘジメイヤー (Margaret Hagemayer) から名づけられました。

マーシーは家族ぐるみの友人であるマーシー・カーリン (Marcie Carlin) から名前をもらいました。

ライナス,ルーシー,リランの 3 人の苗字であるヴァン・ペルト(Van Pelt) はコロラド・スプリングスに住む友人からのものです。

ウッドストックの鳥仲間であるハリエット (Harriet) は,7 分で出来るフロスティングで有名ですが,その名前はやはり 7 分で作るフロスティングのかかったエンゼル・ケーキを作るサンタ・ローザの女性ハリエット・クロスランド (Harriet Crossland) にちなんだものです。

オズマー先生が結婚して学校を去ったあとライナスの担任になったハルヴァースン先生 (Miss Halverson) は,シュルツ氏の母方の祖母であるソフィア・ハルヴァースン(Sophia Halverson) からのものです。彼女は彼の子供時代,しょっちゅう彼と一緒にいました。彼女は自分の孫を大変可愛がり,彼が自宅の地下室でホッケーの練習をするときゴールキーパーをつとめてくれました。シュルツ氏は『ピーナッツ』の連載前に,名前こそつけなかったものの彼女をスポーツ好きの祖母として早くからセント・ポールパイオニア・プレスに連載していた『リル・フォークス(Li'l Folks) 』という新聞のコミックに登場させました。(「わお!あれが過剰ラフプレーでおばあちゃんにあげた 3 つ目のペナルティーなんだな。」)

イギリスの鋭い読者であるジュリアン(Julian) (あなたには「どこか」でお礼を言わなくっちゃいけなかったんですよね!)は,次の 3 人組について指摘しています。

『グッド・グリーフ』 によると,私たちはシュルツ氏には「クララ」(Clara) という叔母と,「シャーリー」(Shirley) という従兄弟がいることがわかります。ちょっとひねってソフィアを「ソフィ」(Sophie) という名前に変えると,ペパーミント・パティがサマーキャンプでテント監視員として世話をする例の 3 人組の女の子たちの名前になるのです。


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