Peanuts FAQ: 4. 登場人物 (14) 大人の登場人物

原著者: デリック・バング(Derrick Bang)
和訳:PFJW(Peanuts FAQ Japanese Workshop)

Last Update: Oct.1,08

4.14) 大人がコミックに姿を見せたことはありますか?

(訳: Pea)

一般的には No です … ただし,いくつかかなり興味深い例外はあります。

チャーリー・ブラウンのお母さんは,彼の名前を呼ぶという形で 1950 年 11 月 7 日付けのコミック(Peanuts に収録)に「オフ・カメラ(画面の外)」で登場します。同じようにチャーリー・ブラウンのお父さんも 1993 年 6 月 20 日の日曜版コミックにオフ・カメラで登場します(Around the World in 45 Years に収録)。この時はスヌーピーと遊んでやりながら,なんと 8 つものフキダシでセリフをしゃべります。ということで,我らがチャックは,両親のいる明るい家庭ですくすくと育っているという紛れもない証拠が存在するわけです。

他にも「ニアミス」が 1954 年 10 月 17 日の日曜版コミックで見られます(Good Grief, More Peanuts に収録)。チャーリー・ブラウンがライナスと同様の安心感を得ようと,綿のフランネルを買いにお店へ急ぎます(店員さんに「笑わないでよね」なんて言ってます)。よ〜くご覧下さい,店員さんの左手に...ちゃ〜んと結婚指輪がはまっているのを。

一方,初期のコミックで大人のほぼ全身が出ている好例が 4 回連続で日曜版コミックにて見られます。これはルーシーがゴルフのトーナメントに参加するときのもので,チャーリー・ブラウンがいわば一人応援団として彼女を応援した時のものです。いくつかのコマで,腰から下ですが何人もの大人達がクローズアップで出てきます。また他のコマでは,顔はぼやけていますがたくさんの大人達が「応援席」にいるのが判ります。こうした変わった描き方はここだけで,単行本にも収録されていないため,この問題のシーンを見つけるのは至難の業でしょう。でも,探せば見つからないわけではありません。ちょいと図書館へ行ってマイクロ・フィルム・リーダーで調べれば,1954 年 5 月のワシントン・ポスト紙かシカゴ・トリビューン紙に出ているのが判るでしょう。

もっと最近では,戦没者追悼記念日 (Memorial Day 多くの州で 5 月最後の月曜日) や復員軍人の日 (Veteran's Day 11 月 11 日) を祝ってシュルツ氏が幼児犬時代のスヌーピーを使ったものがあります。1998 年 5 月 31 日付けの日曜版コミックは大きなひとコマもので,D ディ 【訳注:第二次大戦で連合軍がノルマンディ上陸を開始した日 (1944.6.6) 】 の記念日を祝う兵士達の写真を背景に,そのスヌーピーを配したものでした。同じ年ですがもっと後になって,戦時中のマンガ家ビル・モールディン(Bill Mauldin) に対していつもの献辞より頑張ったものを彼は用意しました。毎年 11 月になると,彼を祝ってスヌーピーがルート・ビアをがぶ飲みするのが通例となっています。 1998 年 11 月 11 日のコミックで,スヌーピーは実際に ウィリー (Willie) それにジョー (Joe) と顔を合わせます。彼らはモールディンのコミックに出てくる兵士達で,どの世代の人々に対しても第二次大戦中の生活がうんざりするほど孤独なものであることを伝えてくれました。しかもここでの 2人はモールディン調に描かれていたのです。しかし,これだけでは答えになりませんね。姿は決して見えなかったとしても,コミックの中で大人は確かに話に出てくるし,映画用語を借りれば 「オフ・カメラ」ではしばしば登場してきた訳です。たいていがピーナッツの世界だけの架空のキャラクターですが,実際の有名人も時折登場いたします。また,まれではありますが,一言二言吹き出しにせりふを与えられる大人達もいます。この項の質問に,より的確に答えるために,実在の人物,あるいは(レイチェル・カールソン (Rachel Carlson) のように)名前だけがでてくるものはさて置いて,子供達が実際に交流を持つ架空の大人達だけをリストアップしたいと思います。

次のリストは完璧なものを目指したものではありませんが,大人達がチャーリー・ブラウンや仲間達にしっかりと関わりを持った証拠をたっぷり見ることが出来ます。

親たち

たいていの子には父母の両方がいることになっていて,たびたび話に出てくるものもいます(たとえばチャーリー・ブラウンの父親など)。ペパーミント・パティだけがどうやら片親の家庭に育ったようで,「たぐいまれな宝石」と彼女のことを呼ぶ父親には甘いのですが,(マーシーとの会話の中で)母親については「いない」という言い方するだけなのです。

様々な学校関係者

ペパーミント・パティ,ロイ,マーシー,そしてフランクリンは同じ学校に通っています。チャーリー・ブラウンと彼の仲間たちはまた別の学校に通っています。時間をかけて,これら両方の学校の校長先生(とその秘書),保健室の先生や不特定の先生方を調べてみました。先生方の中には名前がついている人もいます。

オズマー先生 (Miss Othmar)

後に結婚してヘジマイヤー先生 (Mrs. Hagemeyer) となる,ライナスの大好きな先生。

ハルバーソン先生 (Miss Halverson)

オズマー先生がストライキ中にクビになった後,ライナスのクラスを担任することになった新しい先生。

ドノバン先生 (Mrs. Donovan)

チャーリー・ブラウンのクラスの先生として話に登場(1966 年 2 月 17 日)。

スワンソン先生 (Miss Swanson)

ペパーミント・パティのクラスの先生として話に登場 (1969 年 12 月 8 日)

マリアンおばさん

「マリアン」というのがとよほどありきたりな名前なのか,それともこのピーナッツの仲間たちは私たちが想像する以上に近い姻戚関係でつながっているのか。1958 年 11 月 12 日付けのコミックで,バイオレットはマリアンという叔母がいると言います。その翌年の 1959 年 6 月 16 日付けのコミックでは,チャーリー・ブラウンもマリアンという叔母がいると言ってます。(妹のサリーが 1991 年 3 月 12 日付けのコミックでマリアンおばさんにふれて,チャーリー・ブラウンの言うことが正しいことを傍証しています。) 負けずにルーシーも1963 年 1 月 25 日付けのコミックで自分にはマリアンおばさんがいるってきっぱりと言っています。それから数十年が経ちますが,この名前の人気は一向に衰える兆しはありません。1999 年 9 月 18 日付けのコミックで,スヌーピーにもマリアンおばさんがいることが解ります。実は,当然のことなのですが,チャールズ・シュルツ氏が自身の叔母,マリアンに敬意を表し続けてきた,という訳なのです。彼によると(You don't look 35, Charlie Brown のなかで),マリアンおばさんのモットーは 「トランペット吹きとは結婚するな」 だったとのこと。実際は,トランペット吹きに嫁いでしまいましたが...。

ライナスの安心毛布をきらっているおばあちゃん

いくつもの続き物のコミックにおいてスター的存在。その続き物では一回おきにライナスを騙したり説き伏せたりして毛布を捨てさせようとします(もちろんいつも失敗に終わりますが!)。彼女はライナスとルーシーの絵を前にして,どちらも同じ様にいいねぇと選びかねている日曜版コミックで,ひと言ふた言会話をするおばあちゃんとおそらく同じ人物であることは十分あり得ます。しかしながら,こちらの彼女はとっても穏和な様子の人物であるため,安心毛布を嫌うおばあちゃんとはまた別の人のことかもしれませんね。

赤毛の女の子のおばあちゃん

彼女もまた赤毛なんです。

何人ものドクターと看護婦,それに受付の人たち

チャーリー・ブラウンがかかっている小児科の先生

学校の理事長で,また学校図書館から 「うさちゃん」 シリーズの本を閉め出そうとした張本人。

スヌーピーかかりつけの獣医さんと受付係

電話による視聴者参加ラジオ・トーク番組のホスト

かつてライナスと論戦を交えるはめになった。

いくつかの映画館の切符売り

そのうちの一人にはせりふが有りました。 (1967 年 11 月 19 日)

新聞の三行広告担当者

子供達に電話をかけたこともありました。

3 人のスチュワーデス

昼食時にスヌーピーと顔を合わせました。

隣家の人々,隣の猫の飼い主

リトル・リーグの会長

ミス・ヘレン・スウィートストーリー (Miss Helen Sweetstory)

「うさちゃん」シリーズの本の著者。

ジョー・シュラボニック (Joe Shlabotnik)

チャーリー・ブラウンが大ファンの野球選手。

ペギー・フレミング (Peggy Fleming)

スポーツ・ヒーロー表彰晩餐会でスヌーピーに話しかけたことがあります。

ビル・モールディン

実在の漫画家;第二次大戦の時代を描いたひとこまマンガで有名。毎年復員軍人の日にはスヌーピーとルートビアのグラスをかわします。

まだ他にもたくさん....でも,これくらいで十分でしょ。


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