Peanuts Forum Peanuts FAQ 第4章: 登場人物 Here

4.13) チャーリー・ブラウンと仲間達は（実際には）何歳なんですか？

(訳: Pea)

これは思わず身を乗り出したくなるような問題でしょう。これまで，チャールズ・シュルツ氏は自分の生み出した登場人物に年齢的格付け （つまり「何歳であるか」のコメント） をしたいという衝動をうまくかわして来ました......ところが長年の間には何回か口（ペン）をすべらせた事もあり，それはつい最近にも一度ありました。

まず第一に指摘しておきたいのは，登場人物の中には他の人達よりも 「歳をとる」のがはるかに早い仲間がいたと言うこと。チャーリー・ブラウンが初めて登場したとき，彼はシャーミーやパティよりも確実に年下でした。ただし，数か月後にはそうでなくなってしまいました。同様に，幼児すがたで登場したシュローダーが，今では明らかにチャーリー・ブラウンと同い年として描かれています。ライナスもまたしかり，かつてはサリーよりも遥かに年上だったのに，サリーが 「スイート・バブー（愛しい人）」と呼ぶようになってから歳の差は縮まってしまいました。もっと最近の例がリランです。彼はどうも他の人たちをさしおいて一人で歳月を重ねていっているようですね。

更に細かく見ていきましょう：

まだどこにも再録されていない非常に初期の頃のコミック --- 1950 年 10 月 30 日付け -- で，パティとシャーミーがチャーリー・ブラウンに，バースデー・ケーキが乗っかっていても良さそうな「お皿」をプレゼントして誕生日を祝う場面があります（彼女たち 「その日が彼の誕生日なのかどうか確信が持てなかった」 ようで，ケーキなしのお皿だけになったわけです）。年齢については触れてはありませんが，当然のこととして 10 月 30 日がチャーリー・ブラウンの誕生日と判断していいでしょう。

数日後の 1950 年 11 月 3 日付けのコミック -- これまた未再録 -- のお終いのオチはチャーリー・ブラウンの 「ボク，まだ 4 歳なの」 となっています。（誕生日の話ついでに，More Peanuts という本に収録されている 1954 年 1 月 18 日付けのコミックでは，シュローダーがチャーリー・ブラウンに 「今日」 が自分 （シュローダー） の誕生日であると告げています。年齢のコメントは無いものの，これでシュローダーの誕生日は 1 月 18 日で決まりですね。）

シュローダーの歳は 1953 年 5 月 1 日付けのコミックで 3 歳となっています。1955 年 1 月 25 日にはルーシーが自分は 4 歳であり，パティは 5 〜 6 歳だと言っています。ライナスが 1956 年 5 月 5 日付けでは 5 歳となっていることを考えると，ルーシーの歳のとりかたは速いのではないかと思ってしまいます（ライナスは 1958 年 9 月 2 日にも，そして 1959 年 6 月 10 日付けでも 5 歳となっています）。理屈に合わないのですが，ライナスは 1957 年 3 月 27 日付けではほんの 4 歳だと言っているのもおもしろいですね.......全くワケが分からなくなってしまいます。

更に年代が進みます。

1957 年 11 月 17 日の日曜版コミックで，最後にチャーリー・ブラウンがこんな事を言っています -- 「人は全てプライドを捨てなきゃなんないってことはないんだよ，だってまだ 6 歳じゃないか。」 従って，この時点でチャーリー・ブラウンと彼の同期生 -- ライナスを除く他の子たち -- がみんな同い年であると考えていいでしょう。

ところが，そのライナスなんですが，1960 年 8 月 29 日付けのコミックで 「ほぼ 5 歳」 サリーより年上だと言っているんです。当時サリーは立ち歩きが出来ていたので少なくとも 1 歳にはなっていました。と言うことは，ライナスは少なくとも 6 歳であると言うことになり，そうなると今度はチャーリー・ブラウンが最低でも 7 歳であるということになりますね。（お解りいただけますか，このややこしさ？）

1960 年 9 月 30 日付けのコミックで，ルーシーは誇らしげにライナスより一つ年上だ，と言っています。これだけは少なくとも今日まで変わってはいません。1962 年 1 月 25 日のコミックにおいて，ルーシーは世の中のいろんな問題を不満として，怒鳴りちらします -- 「今から 12 年あげるから，世の中をちゃんとしなさいよ......あたしが 18 になるまでには全て落ち着いてなきゃいやよ！」 計算ではこの時点でルーシーは 6 歳になります。が，少々変なことになりますね。と言うのも，彼女はチャーリー・ブラウンと同い歳でなければならないはずで，その彼は先に述べたように 2 年前には 7 歳だったはずなんですから！

ライナスは 1964 年 9 月 23 日付けコミックにおいて，自分は 6 歳だときっぱり言っています。

1971 年 4 月 3 日付けコミックでチャーリー・ブラウンがライナスにこんなことを言ってます -- 「あとたったの 13 年で 21 歳になる。」 お解りのように，この時点でチャーリー・ブラウンは 8 歳であるはずですね。

ペパミント・パティは 1972 年 1 月 6 日のコミックから 7 歳だとわかっています。

何年も後の 1979 年 7 月 11 日にチャーリー・ブラウンが入院した時，自分の歳を 「8 歳半」 だと言っていました。

このことは残念ながら，特に 「年かさのいった」 子たちの年齢設定と矛盾するところがあります。例えば，ごく新しいところでは 1997 年 2 月 19 日付けのコミックで，ルーシーが極めてきっぱりと自分が 7 歳であると言い切っています。（「覚えときなさいよ，あたし 21 歳になるんだからね，あと.... 14 年したら！」）

ひょっとして，元々チャーリー・ブラウンはルーシーより年上の設定なんでしょうか？？？

リランに話題を移しましょう。彼は 1973 年 3 月 28 日付けでは間違いなく 1 歳でした。最後のコマでこんな思いを披露しています -- 「ほんの 1 歳にして，ボクはもう過去に浸って生きている！」 90 年代初めには 4 歳くらいになり，「ちゃんと」 学校へ行くにはまだまだたけれど，ものごころのつく歳にはなっています。

ルーシーがチャーリー・ブラウンの歳に正式に 「追いつく」 のは 1985 年 4 月 2 日のことで，このとき彼女は 8 歳ということになっています。ただし，これもまた一時のことで，1996 年 2 月 19 日付けでは，またまた 7 歳に戻っているのです。

1995 年 10 月 15 日付けの日曜版コミックにより，リランはこの時 5 歳であることが分かります......リラン自身がそう言ったのです。いつまで 5 歳のままでいるか，それが他の子達の年齢にどう影響をおよぼすか，推測の世界ですね。

こうした事例はありますが，一方で年齢を各キャラクター固有のものとして捉えるのではなく相対的なものとして見た方がおそらくはよいように思われます。目安をそう設定すると，主なる登場人物達を （年上から年下へという） 3 つのグループに分けて，その中ではほぼ同じ年齢であると見なすことが可能となります。

• チャーリー・ブラウン，ルーシー，ペパミント・パティ，マーシー，シュローダー，フランクリン，シャーミー，パティ，ヴァイオレット，ピッグ・ペン
• ライナス，サリー
• リラン

お解りのように，この年齢の問題に完全なる答えを出そうとするのは，まるでゼリーを壁にクギで打ち付けようとするようなものです。チャールズ・シュルツ氏はこの Peanuts なる世界を流動的な有機的組織体，すなわち随時可変の世界として創ったのです。（忘れもしません，スヌーピーでさえもかつては自分自身を 「ただの犬」 と呼んでいたんで すよね！） 必ずしも個々の整合性は無いかもしれないけれど，それぞれの関係がゆっくりとゆっくりと長い年月をへて変わって行くものなのです。

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