Peanuts FAQ: 4. 登場人物 (29) スヌーピーがチャーリー・ブラウンの飼い犬になった時点

原著者: デリック・バング(Derrick Bang)
和訳:PFJW(Peanuts FAQ Japanese Workshop)

Last Update: Oct.1,08

4.29) スヌーピーはどの時点で本当にチャーリー・ブラウンの飼い犬になったのですか?

(訳: Charn)(5/01/2006)

ちょっとしたファンは一般的に,スヌーピーは,少なくともこのビーグル犬が彼の最初の飼い主であるライラという名の女の子に短期間連れて行かれたのちデイジー・ヒル子犬園に戻って以降は,ずっとチャーリー・ブラウンに飼われていた,と思いこんでいます。(この話は,ピーナッツの2本目の映画『帰っておいで,スヌーピー(Snoopy Come Home)』で使われました。)

しかし,それはそんなふうに始まったのではないのです。ピーナッツが 1950 年後半に最初に始まってから,まだ少ないキャラクターたちの名を連ねてみても,スヌーピーは,チャーリー・ブラウン,パティ,シャーミーといった初期のどのスターたちとも登場する「近所の犬」以上の存在でした。人気があったようです。例えば,1950 年 10 月 25 日には,スヌーピーはパティが彼女のおもちゃの電話から電話するのを盗み聞きしている姿がありますが,そこは確かに彼女の家の中のように見えます。また,その年の 11 月 7 日のコミックでは,スヌーピーはチャーリー・ブラウンの家にいます。ま た,たびたびスヌーピーはシャーミーといっしょにいる姿が見られます。1951 年 2 月 2 日には,パティが極めてはっきりとチャーリー・ブラウンに,スヌーピーは「あの方角」に住んでいる,と言いますが,その方角はチャーリー・ブラウンの家の方とは違うのです。

最初にスヌーピーがチャーリー・ブラウンと特別な関係にあるように示唆されるのは,1951 年 4 月 11 日のことで,そのときこのビーグル犬はチャーリー・ブラウンと同じようなジグザグ模様の服を着て現れます。しかし,このときですら,それを確信するのは困難です。というのは,スヌーピーが単に哀れなお馴染みのチャックをからかっているだけのようだからです。

もっとしっかりした証拠は 1951 年 9 月 12 日に現れます。このとき,チャーリー・ブラウンの部屋にスヌーピーの写真があるのがわかります。それは,ついに,このビーグル犬が,チャックと特別に結びついていることを示唆しているように見えます。(もしくは,そうではないかもしれません。数週間後,スヌーピーは,「家(home)」に帰るのです,シャーミーの家へ!)

1951 年 12 月 15 日,チャーリー・ブラウンはスヌーピーの犬小屋の修理をします・・・ここで,確かに我らのビーグル犬の家がチャックの家の中庭であることが示されます。しかし,不運にも,1953 年 4 月 13 日,パティとシュローダーが通りすがりのチャーリー・ブラウンに,「彼ら(パティとシュローダー)」がスヌーピーの犬小屋を何色に塗るべきと思うかを尋ねているのです!

この後者の事件があった 1953年までに,スヌーピーはまだ他の子供たちの家を訪問していますが,それでも彼がチャーリー・ブラウン以外の誰かと住んでいると強く示すものはありません。例えば,1953 年 11 月 28 日に,チャーリー・ブラウンはスヌーピーに寝るように言いますが,明らかに両者ともチャックの家にいます。

しかし,再び曖昧さが忍び寄ります: 1954 年 12 月 15 日のコミックで,ピッグ=ペンがポケットから出したキャンディーをスヌーピーに素早く渡した後,チャーリー・ブラウンが,「シーッ,良き友スヌーピー,君は僕と一緒に家に帰って水を飲んだ方がいいよ。(Psst ... Snoopy, ol' pal ... you'd better come home with me, and have a drink of water.)」 と言っています。「僕と一緒に(with me)」というフレーズに注目してください。もしスヌーピーがチャーリー・ブラウンと一緒に住んでるのであれば,単に「家に帰ったほうがいいぞ。("You'd better come home.")」と言うだろう,と指摘する人もいます。

最後に,1955 年 10 月 15 日に,チャーリー・ブラウンがスヌーピーに食卓から食べ物をあげているのですが,そのとき,「ほらよ,良き友。(There you are, old friend)」という,かなりスヌーピーの飼い主らしいフレーズを言っています。ところがこの 2 〜 3 週後,11 月 1 日には,チャーリー・ブラウンはスヌーピーにテレビの前で食事を与えていますが,そこは明らかにチャックの家なのです。さらに,11 月 3 日には,チャーリー・ブラウンはバイオレットに,「この街のすべての犬が繋がれていないといけなくなったんだ。」と話し,バイオレットがチャーリー・ブラウンもスヌーピーを繋いだのか尋ねたところ,彼は「もちろん・・・。他に何ができるっていうんだい?」と言っています。この時点で,明らかにバイオレットはスヌーピーをチャーリー・ブラウンの飼い主だと思っています。そしてさらに数週間後の 11 月 18 日,チャーリー・ブラウンはパティに,スヌーピー(既にロープで木に縛り付けられてはいません)を「義理でがんじがらめにしてあるんだ("tied up with a sense of obligation") と言っています。このことも,彼がスヌーピーの飼い主である強力な証拠です。

スヌーピーにエサをあげることは既に習慣になります。12 月 8 日,チャーリー・ブラウンはシャーミーに,彼はあと一分したら行くよ,「猟犬の世話をする (attends to the hound) 」から,と言っています。1956 年 3 月 10 日には,チャーリー・ブラウンはルーシーに,スヌーピーはいつもお腹が空くと彼のところにごはん皿を持ってくると言っています。

1956 年 12 月 14 日,チャーリー・ブラウンはスヌーピーに新しい首輪(もっと男っぽいもの("...something more masculine")) を買っています。また,1957 年 11 月 14 日には,チャーリー・ブラウンはスヌーピーを「僕の友(My pal)」と呼び,「みんな家に帰ったときに出迎えてくれる犬を飼うべきだよ。("veryone should have a dog to greet him when he comes home.")」と言っています。

そして,最後に--ほんとに今度こそ最後に--私たちは 1958 年 9 月 1 日に,決定的な証拠を得ることになります。この日,チャーリー・ブラウンは彼のペンシル・パル [訳注:ペンパルのこと。チャーリー・ブラウンが鉛筆で手紙を書いたのでこう呼んだ] に手紙を書いています。彼の忠実な友は何が起こるかテーブルの上をじっと見ていると,チャーリー・ブラウンは,「ああ,そうだ。僕にはスヌーピーという名前の犬もいます。彼はちょっとイカれてます。」と書き加えます。この時点で,スヌーピーは間違いなくチャーリー・ブラウンの犬なのです!


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